(Lancet Rheumatol 2021; 3: e865–73)
EUREKA study: デンマークの3病院における前向きCohort.
・50歳以上のCranial GCAが疑われた患者群を対象とし, 全例で側頭動脈, 顔面A, 総頸A, 腋窩Aの血管エコーを施行.
・その後GC投与7日以内に側頭動脈生検を施行.
・患者は6ヶ月間治療, フォローされ, 6ヶ月後に担当リウマチ専門医により最終的にGCAかどうかを診断された.
・エコー所見陽性はIMTの均質な低エコーの肥厚所見, Halo signが陽性, 腋窩Aでは1mm以上, 総頸Aでは1.5mm以上のIMT肥厚で定義
アウトカム:
・112例でUSの評価と側頭動脈生検を施行. 6例は生検に動脈が含まれておらず, 除外され, 最終的に106例で評価
・年齢は72.7±7.9歳, 女性が59%
エコー結果
・エコーにて血管炎所見を認めたのは65例(61%)
このうち44例(68%)で頭蓋の単独病変.
14例(22%)が頭蓋と大血管の複数病変.
7例(11%)が大血管のみの病変.
・IMTの肥厚は腋窩Aで1.72±0.47mm, 頸Aで1.97±0.44mm
側頭動脈生検陽性は46例(43%)
・その全例がUS所見も陽性: US所見陽性の65例中46例で生検陽性(71%)
・側頭動脈にUS所見(+)の58例のうち, 生検陽性例は46例. 79.3%
・US所見が陰性であった患者は全例で生検所見も陰性.
・巨細胞を認めたのは46例中39例(85%)
・62例が臨床的にGCAを診断.
・生検陽性は全例でGCAを診断
・生検陰性例では16/60でGCA
・US所見陽性例では, 58/65でGCAを診断.
・TABの感度72-75%, 特異度 92-100%
USの感度92%, 特異度 85%
非GCA症例の診断
GCA診断に関連する情報
・USはかなり診断に寄与する.
・他は顎跛行と全身症状.
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GCA診断に際して, TABは特異性はかなりよいものの, 感度は72-75%と低い.
検体不良も5%弱である. USで側頭動脈に所見を認めても, 2割はTAB陰性.
一方でUSは感度はかなり良好. 一方で特異性はTABに劣る.
双方の有用性を理解しておきたいところ.
TABでnon-GCA所見であった症例のエコーと最終診断.