敗血症に対する大量ビタミンC投与を評価した報告たち
敗血症に対するHAT療法
最初は効果が期待できるかも, と言われていたが, その後の追試では悉くNegativeであり,
もはや廃れている治療法といえる.
そして今回, 大量Vit C投与により, 予後改善どころか予後増悪の可能性がでてきた.
LOVIT trial: 感染症でICU管理となった成人症例を対象としたRCT.
(10.1056/NEJMoa2200644)
・患者はICU入室後24h以内で, 感染症が証明/強く疑われた症例.
さらに昇圧薬を使用されている群を対象
・除外項目はVit Cの禁忌(G6PD欠損など), すでにVit Cを使用中, 48h以内に蘇生治療を中止することが予測された症例, 48h以内に死亡が予測された症例
・Vit C 50mg/kgを6h毎に投与する群 vs Placebo群に割り付け, 96h継続.
死亡リスクや臓器障害リスクを比較した.
母集団
・敗血症性ショックは5-6割で満たす.
・人工呼吸器管理は6-7割.
・感染部位は肺, 消化管が主.
アウトカム
・28日における死亡, 臓器障害残存は 有意にVit C投与群で多い: RR 1.21[1.04-1.40]
・28日死亡率は35.4% vs 31.6%, RR 1.17[0.98-1.40]
持続性の臓器障害 9.1% vs 6.9%, RR 1.30[0.83-2.05]
・両群で溶血性貧血はなし. 腎障害や低血糖も差は認めない
・サブ解析でも全体的にVit C群の予後が不良な傾向がある.