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2022年4月7日木曜日

周術期のトラネキサム酸

Tranexamic Acid in Patients Undergoing Noncardiac Surgery 10.1056/NEJMoa2201171 

POISE-3: 非心臓外科手術を予定された患者群を対象とし, 周術期のトラネキサム酸投与群 vs Placebo群に割り付け, 出血合併症のリスク, 血栓症リスクを比較したRCT.

・さらにFactrial designで, 1種類以上の降圧薬を使用している患者群を, 高血圧回避策 vs 低血圧回避策群に割り付け, 比較している
(上記論文はトラネキサム酸における解析)

・対象患者は45歳以上, 入院にて非心臓外科手術が予定, さらに出血や心血管合併症リスクを認める患者群を対象(例: 動脈硬化性疾患既往, Major surgery, 70歳以上, Cr ≥ 2mg/dL)

・除外: 心臓外科手術予定, 脳神経外科手術, 元々トラネキサム酸を使用予定であった群, CCr <30mL/min(Cockcroft-Gault), 維持透析

トラネキサム酸は1g DIVを術前, 術後に投与. 


母集団


アウトカム

・割り付けから30日以内の致命的な出血, Major bleeding, 重要臓器の出血リスクを比較(Primary outcome).

・また, 心筋障害(MIやTrop単独上昇), 非出血性Stroke, 末梢血管塞栓, 近位部DVTリスクも比較.

・Primary outcomeは9.1% vs 11.7%, HR 0.76[0.67-0.87]と
 

 有意にトラネキサム酸投与群で低下.(NNT 38)
 

 内容別では, Major bleedingリスクが低下している.

・血栓症や心筋障害リスクはトラネキサム酸はプラセボ群と比較して非劣性.

・Sub解析では, 整形, 非整形手や
貧血の有無,
腎機能のどの群も
介入による出血合併症の減少効果が期待できる


3次アウトカム

・死亡リスクは有意差なし

・輸血必要例は減少;
 NNT 38.5程度.