(Clinical Infectious Diseases® 2020;70(10):2036–44)
侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)にはセログループB, C, W, Yがある
・西欧ではIMD-B, Cが多かったが, 髄膜炎菌ワクチン(セログループCに対するワクチン)が広がってからはIMD-Cは減少
・セログループWは2000年以前にはたまに報告がある程度であったが, 近年増加傾向にある
オランダにおける前向きのサーベイランス
・2015-2018年に診断されたIMD症例を解析
・セログループ別のIMDの特徴を調査した.
563例のIMDのうち, IMD-Bが48%, IMD-Wが36%
・IMD-Cが減少し, IMD-Wが占める割合が増加
・近年はIMD-Wが最も多いタイプとなる
・IMD-Yは常に1割前後
セロタイプ別の特徴
・IMD-Wは中年~高齢者で多く
IMD-Bは小児例で多い
・IMD-Wでは髄膜炎よりも敗血症が多い. 肺炎のみの例もある
呼吸器症状を伴う例が45%と多い
・IMD-Bでは髄膜炎が主となる. 点状出血も多い
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髄膜炎菌のなかにも, 中高年が主の呼吸器症状や敗血症がメインとなるタイプ(W)や, 小児の髄膜炎が主となるタイプ(B)がある.
YはWに似ている.
Cはワクチンが普及してからは減少している.