CVDリスクとなるかどうかは報告により結果が分かれており,
リスクとはならない報告や, リスクとなる報告が混在. 明確な結論は得られていない.
上記を評価したRCTやそのMetaの多くは重症CVD既往がある患者は除外されている.
また, LABA, LAMAどちらかをすでに使用していることが多い
(どちらかを使用しても問題なかった患者群が対象となっている.)
Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease A Nested Case-Control Study. JAMA Intern Med
台湾におけるCase control study:・COPD患者でLABA, LAMA双方使用されていなかった284220例を対象
・新規にLABAもしくはLAMAを開始された患者群と, ランダムで抽出されたCVDリスク因子, 疾患重症度を合わせたControl群と比較し, LABA,LAMA開始後のCVD発症リスクを評価した.
・CVDは冠動脈疾患, 心不全, 脳梗塞, 不整脈
母集団のデータ
アウトカム:
LABA, LAMA双方とも開始後のCVDリスクは上昇する結果
・また, 開始後1-2ヶ月で最もリスクが高く, その後はリスク上昇は認めず.
CVDリスク因子別の評価ではリスク因子の有無にかかわらず, CVDリスクは上昇
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LABA, LAMAがCVDリスクになるかどうかは議論が分かれるところだが,
未治療のCOPDに対するLABAもしくはLAMAの開始はCVDリスクとなる可能性がある
LABAやLAMAの開始後、1-2ヶ月で最もCVDリスクが上昇する
すでにどちらかが使用されている場合は, 追加や切替えでLABAもしくはLAMAを使用してもあまりリスクにはならないのかもしれない.