急性呼吸不全でHIVやNasal high flow管理となった患者において, 気管挿管, 人工呼吸器管理へ移行するリスク因子を評価した.
(Crit Care Med 2018; 46:208–215)
・患者はRR>25/min, P/F≤300, PaCO2 <45mmHgを満たし, 酸素投与(≥10L/min), NIV(VT7-10mL/kg, PEEP 5cmH2O), Nasal high flow(50L/min)のいずれかで管理された群を対象
・重症好中球減少症, Acute-on-chronicの呼吸不全, 心原性肺水腫, Shock, 意識障害症例は除外
・管理開始1時間経過しての各パラメータと, その後の挿管/人工呼吸器管理リスクを評価した.
気管挿管基準は以下とした.
・呼吸状態の増悪, 改善が乏しい: 以下の2項目を満たす
呼吸数>40/min,
呼吸補助筋の過度な使用が持続,
多量の喀痰,
動脈血pH<7.35,
SpO2<90%が5分以上持続
・血行動態不安定
・神経所見(意識状態)の増悪
患者は310例で, 45%が気管内挿管を必要とした
・このうち92%が呼吸状態の増悪, 改善が乏しいことで挿管を行なった
Baselineのパラメータと最終的な気管挿管リスク
・Baselineでは, 呼吸回数が多いほど挿管リスクが高い
酸素投与, NIVなど管理後1hでのパラメータと挿管リスク
・酸素投与群では呼吸回数
・Nasal high-flowではDiscomfort
・NIVでは呼吸回数, P/F<200, 呼気VTが挿管に関連する
挿管リスク因子とそのOR
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初療時以外にも, 管理中の呼吸数のフォローはその後の気管挿管・人工呼吸器管理を予測する因子として重要.
「酸素投与やNIVを行なっていても呼吸回数が早いなぁ。。。いやだなぁ。。。」という感覚は大事という根拠になります
Nasal high flowでは関連性は乏しく, 頻脈が嫌なサインとなりそう