周期性に悪心, 嘔吐を来す症候群 (BMC Medicine 2005;3:20)
4つのPhaseがあり,
Inter-episodic phase; 症状が無い期間
Prodrome; 症状が起こり始める, 起こりそうな期間
Emetic phase; 持続性の悪心, 嘔吐などを認める期間
Recovery phase; 悪心が消失し, 空腹感を感じ, 無症状となる
41名のCVS患者の解析
発症年齢は2-49歳. 男性24例, 女性17例.
発作の時間は85%が一定の期間. 15%は不定. 数時間〜数日持続する事が多い.
発症時間は深夜, 午後であることが殆ど
トリガーがはっきりしているCaseもあり, 月経やストレス, 興奮, 疲労が関連していることがある.
嘔吐は様々で, 2時間に1回から1時間に20回まである. 平均8.5回/h
微熱, 腹痛を伴う事が25%
CVSは片頭痛との合併が多く, 関連した病態と考えられている.
実際発作時に片頭痛を認める例が70%
家族歴(+)のCaseが57%で認められる.
感情, ストレスにより生じることから精神的な要素の関連も示唆.
経過は不変, 改善する事が殆どで, 悪化する例は稀.
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これに関連してCannabinoid中毒で嘔吐症を来す事が多いのでそれも記載する.
Cannabinoidによる嘔吐症 (MayoClinProc.2012;87(2):114-119)
Cannabis; 米国をはじめ全国で使用されている違法薬剤.
日本国内でも大麻, マリワナ, 脱法ハーブとして使用される
WHOでは米国におけるCannabisの生涯使用率は42-46%
Cannabisは制吐作用を示すが, 長期のCannabis使用により周期性嘔吐を来すことが知られており, “cannabinoid hyperemesis”と呼ばれる.
Cannabinoid Hyperemesis 98症例のReview
平均年齢は32.3歳
日本国内でも大麻, マリワナ, 脱法ハーブとして使用される
WHOでは米国におけるCannabisの生涯使用率は42-46%
Cannabisは制吐作用を示すが, 長期のCannabis使用により周期性嘔吐を来すことが知られており, “cannabinoid hyperemesis”と呼ばれる.
Cannabinoid Hyperemesis 98症例のReview
平均年齢は32.3歳
発症までの使用期間は2-5年が最多で44%. 1年未満も32%ある
発症者の使用頻度は毎日使用しているのが59%, 週に1-3回でも20%を占める
CHの臨床所見
朝方の嘔吐が7割を占める.
他には腹痛(心窩部, 臍周囲痛). 疼痛の訴え方は様々. 胸焼けもあり.
排便は下痢, 便秘双方あり得る.
暖かいシャワーを浴びると改善するのが91%と多く, 特徴的な所見となる.
CHの診断Criteria: