British Journal of Haematology, 2009;148:15–25
一般的に抗凝固療法や抗血小板療法, 凝固障害, PLT機能低下, PLTの急激な低下がない場合のPLT低下患者では,
PLT ≥8万/µLならば安全に硬膜外, 脊椎麻酔は可能であり,
PLT≥4万/µLならば安全にLPが施行可能とされる.
PLT≥4万/µLならば安全にLPが施行可能とされる.
それを下回る患者ではどうかというとあまり分かっていない.
特にPLT 5-8万の硬膜外麻酔, PLT 2-4万のLPは各個人毎にRisk-benefitを考慮して適応を決めるべきである.
特にPLT 5-8万の硬膜外麻酔, PLT 2-4万のLPは各個人毎にRisk-benefitを考慮して適応を決めるべきである.
出血による重大な合併症はSpinal hematoma.
硬膜外麻酔では1/150000, 脊髄麻酔では1/220000の頻度.
他の報告では0.0004%と稀な合併症ではある.
UFHやLMWHの使用患者ではリスクが上昇する.
PLT低下患者での合併症リスクは不明瞭
PLT低下の原因にもより, 例えばITPでPLT機能が正常な場合は4-5万程度でも硬膜外麻酔は可能としている報告もあるし, HEELP症候群ではもっと高値をCutoffとしている場合もある.
PLT低下患者でのLPの報告
1-3万程度のPLT症例でもLPで合併症は特に報告は無し
ただし, <5万ではTrauma Tapのリスクが上昇する
Case reportでは18例のPLT低下 + LP施行でSpinal hematoma(+)
8/18が無症候性.
17/18がPLT低下以外のリスクを有していた.
CNS疾患, 急速なPLT低下, DIC, 複数回の穿刺, Traumatic Tap.
リスク因子(-)の1例はALLでPLT 2.6万/µLの症例.
CNS疾患, 急速なPLT低下, DIC, 複数回の穿刺, Traumatic Tap.
リスク因子(-)の1例はALLでPLT 2.6万/µLの症例.
複数のガイドラインでは,
硬膜外麻酔, 脊髄麻酔はPLT ≥8万/µLを推奨するものや, <5万でPLT輸血の併用を勧めるもの, ≥10万/µL, リスクが無い場合は≥8万を推奨するものがある.
LPについては, ≥5万を推奨するもの, ≥4万/µLを推奨するもの, 小児では2-4万/µLをCutoffとするものとある.
現時点では硬膜外麻酔の挿入, 抜去ではPLT≥8万, LPでは≥4万/µLが推奨される. ただし以下が条件となる
PLT値が安定していること
後天性, 先天性の凝固障害がないこと
PLT機能が正常で, 抗血小板薬の使用が無いこと
抗凝固薬の使用が無いこと.
LMHWを使用中の場合, 予防量であれば12h, 治療量であれば24h空ける.
LMHWを使用中の場合, 予防量であれば12h, 治療量であれば24h空ける.
上記よりも低いPLTの場合も安全に施行可能かもしれないが,
Evidence不十分であり何ともいえない.
硬膜外麻酔の場合は5-8万, LPの場合は2-4万がグレーゾーンといえる.
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PLTが低くともLPは可能な可能性は高い.
硬膜外麻酔や脊髄麻酔は使用する針も太いため, リスクも高い.
患者のリスク-ベネフィットを考慮し, 行うべきか決めることが重要であろう.
そのような患者でLPをやるならば, なるべく細い針で, できれば一発で決めたいところ.
エコーで施行前評価も重要であろう.