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2020年7月23日木曜日

COVID-19に関連した川崎病, PIMS-TSの特徴

COVID-19は小児では軽症であり, 予後は良いが感染後の川崎病の報告が増加している. = Kawa-COVID-19

Kawa-COVID-19 16例の報告.
(Ann Rheum Dis 2020;79:999–1006.)
・発症年齢は10[4.7-12.5]
消化管症状や心疾患の合併が多い

Kawa-COVID-19と一般的な川崎病との比較

・Kawa-COVID-19では一般的な川崎病よりも年齢が高く
 血小板やリンパ球は低値
・さらに心筋炎や心外膜炎を合併する頻度が高い
IVIGへの治療抵抗性も認められる

(2020/7/22追記)
(JAMA. 2020;324(3):259-269. doi:10.1001/jama.2020.10369 )
SARS-CoV-2感染症に関連するInflammatory Multisystem Syndromeという概念: PIMS-TS
・このPIMS-TSKawa-COVID-19も含まれる.
・PIMS-TSの基準

PIMS-TSを満たす58例の報告
・年齢中央値は9[5.7-14]
川崎病と判断されるのは13, 基準を満たすのは7.
・SARS-CoV-2の感染が証明されたのは45


・臨床症状は腹痛や下痢といった消化管症状皮疹, Shockが半数で認められる.
治療はステロイド, IVIGが多く行われる.
最終的に冠動脈瘤を認めるのが8(14%)

PIMS-TSと他の小児のInflammatory Multisystem Syndrome(川崎病, KD shock disease, Toxic shock syndrome)を比較

・年齢はPIMS-TSで最も高い. 10歳前後が中央値となる
・血液検査ではPIMS-TSではリンパ球が低値となりやすい
・またフェリチンの上昇が認められる
TropD-dimerも高値となる

(さらに2020/7/23追記)
NEJMより(N Engl J Med. 2020 Jun 29;NEJMoa2021680. doi: 10.1056/NEJMoa2021680.)
COVID-19に関連する小児のMultisystem Inflammatory Syndromeを評価したSurveillance
・以下の6項目を満たす患者を抽出した
 21歳以下
 入院が必要な病態
 24h以上の発熱
 Labで炎症所見がある
 多臓器の炎症所見
 SARS-CoV2の感染が認められる(PCR, 抗体, 暴露歴)

上記を満たす患者は186
 年齢中央値は8.3[3.3-12.5]


臓器障害は消化管が92%, 心臓が80%, 血液76%
 皮膚粘膜が74%, 呼吸が70%
 冠動脈瘤は8%で認められた.

川崎病様の病態は40%で認められた:
 5日以上の発熱と川崎病の特徴 ≥4/5項目を満たすか,
 2-3/5項目 + Lab, 心エコーで川崎病を示唆する所見を認める

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COVID-19感染に関連して, 小児で多臓器にわたる炎症性障害が生じる. Kawa-COVID-19もその一部症と考えられる.

一般的な川崎病や, TSSと比較して年齢は高く, 10歳前後が中央値となる.
また, 心筋障害のリスクも高いと考えられる.