・ILD以外にも, 壊死性結節やCaplan症候群, 気管支拡張, 胸膜病変なども生じる.
(Clin Chest Med 40 (2019) 545–560)
RAに伴う肺病変の例
A: 両側性の胸膜肥厚と胸水貯留
B: 胸膜直下の壊死を伴う結節と, それによる気胸
RAに伴う肺結節性病変
(Clin Chest Med 40 (2019) 545–560)
リウマチ結節が肺内に形成され, 空洞を伴う結節病変を呈することがある.
・結節性病変は胸膜直下や葉間に多く, 数mm~7cmを超えるものまで様々.
・悪性腫瘍や真菌感染症と類似した所見となり, 鑑別が重要
・大半が無症候性であり, それだけならば治療は不要だが, 出血や気胸, 胸水貯留, 気管胸膜瘻をきたす例もある.
・RTXの使用により結節の数やサイズが縮小する報告がある.
一方でMTXやTNF-α阻害薬ではサイズが増大する報告もあるが, だからといってそれら薬剤を避けるべきかどうかは不明瞭
Mayo clinicにおいて, 2001-2016年にRA患者で, 肺に組織的に証明されたリウマチ結節, または悪性腫瘍を認めた73例を解析.
(Eur Radiol. 2019 Apr;29(4):1684-1692.)
・このうちリウマチ結節であったのが23例と, 悪性腫瘍は50例であった.
・肺のリウマチ結節を認める例では,
皮下のリウマチ結節は7割で認められる.
RFやACPA陽性率も高い.
画像所見
・リウマチ結節群は多発し, 平均サイズは2.4cm
・円形が7割. 空洞も4割で認める.
・末梢側有意(86%)で, 胸膜直下が多い(73%)
・Spiculaは悪性腫瘍の方が多い
画像の例
Caplan症候群: 比較的境界鮮明な類円形の陰影が多発し, 数ヶ月で0.5~数cmの大きさに達する(Caplan’s lesions).(Thorax. 1953 Mar;8(1):29-37.)
・病理所見はリウマチ結節と一致し, マクロファージにより囲まれる壊死を伴う炎症像と動脈内膜の炎症所見が認められる(Thorax. 1955 Mar;10(1):9-18.)
Caplan症候群は ブログ: 呼吸器内科医を参照
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関節リウマチでは胸膜直下が主の空洞を伴う肺結節性病変をきたすことがある.
画像所見は肺癌や転移性肺腫瘍, 肺真菌感染症, Septic emboliに類似しており, 鑑別は重要.
確かにRA患者で, こういう画像はみたことある.