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2016年10月22日土曜日

肺塞栓症の外来治療適応

肺塞栓症は基本的に入院管理と考えるが, 軽症例では外来治療も可能と言われている.
治療はLMWH + 抗凝固で開始し, 抗凝固は90日以上継続する.

国内ではLMWHは使用できないため, 無理やり合わせるならば, まずヘパリン使用しながらNOACにして, それを継続する形となるが...

どのような症例が外来治療可能か評価するためにはHestia criteriaとPE severity indexがある.

Hestia criteria: 外来治療可能なPEを判断する指標.

オランダにおける前向きStudy (Journal of Thrombosis and Haemostasis, 9: 1500–1507)
 急性肺塞栓症患者において, 事前に設定したCriteria(Hestia criteria)を満たさない患者を外来で治療した(LWHM+抗凝固療法).
・外来治療群では, 診断後 24h以内に外来治療へ移行する.

Hestia criteria: 以下を全て満たさない場合に外来治療可能と判断する.
血行動態不安定*
感染や悪性腫瘍など24h以上の入院が必要となる理由がある
血栓溶解, 血栓除去術が必要
CCr <30mL/min
活動性出血, 出血リスクが高い**
重度の肝障害がある
SpO2>90%維持するために24h以上酸素投与が必要
妊婦
抗凝固療法中にPEを診断
HITの既往がある
24h以上, 鎮痛剤の経静脈投与が必要

*sBP<100mmHgでHR>100bpm, ICU管理が必要. **14日以内の消化管出血, 4wk以内の脳卒中, 2wk以内の手術歴, 出血素因, 血小板<7.5万/µL, コントロール不良な高血圧(sBP>180, dBP>110)

Hestia criteriaを満たさない急性PE 297例を外来で治療
・3ヶ月でVTE再発したのは2.0%(PE 1.7%, DVT 0.3%)
・Major 出血リスクは0.67%, 全死亡リスクは1.0%

Hestia criteriaのValidation: オーストリアにおけるopen-label, noninferiority RCT.
(Am J Respir Crit Care Med Vol 194, Iss 8, pp 998–1006, Oct 15, 2016)
・Hestia criteriaを満たす成人急性肺塞栓患者 550例を対象とし, そのまま外来治療とする群 vs NT-proBNPを評価し, 外来治療を決める群に割つけ, 30日予後を比較.
・NT-proBNP群では, >500ng/Lでは入院加療とし, ≤500ng/Lでは外来治療とする.

母集団

両群におけるNT-proBNP値

・Hestia criteriaのみ群では23例がNT-proBNP>500 → 外来治療
・NT-proBNP併用群では34例がNP-proBNP>500 → 入院治療
・これら両群でPrimary endopointは無し(PE再発, Major出血由来死亡, 心肺蘇生, ICU管理, 血栓溶解療法, 血栓除去術)

・全体で見ても, 両群で差はない結果.

PE severity index risk classで外来管理を決める.

スイス, フランス, ベルギー, USAにおけるopen-label, non-inferiority RCT
・成人例の急性肺塞栓患者で, PESI I-IIを満たす344例を外来治療群(24h以内に退院) vs 入院治療群に割つけ, 90日予後を比較.
・治療はLWMH+抗凝固療法で開始し, 抗凝固療法は90日以上継続.

Original PESI
pt
年齢
年齢pt
男性
+10
悪性腫瘍
+30
心不全
+10
慢性肺疾患
+10
HR>=110
+20
sBP<100mmHg
+30
RR>=30
+20
BT<36
+20
意識障害
+60
Sat<90%
+20
Class I =<65, Class II 66-85; Low risk
Class III 86-105, IV 106-125, V >125; High

母集団データ

アウトカム

・VTEの再発例は外来治療群で1例のみ.
・全死亡例は両群で1例ずつ.
・低リスク群では外来治療も選択肢の1つとなる

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海外では保険の関係もあり, なるべくできるならば外来で, という考えが主流となる.
国内では保険制度や, 病院の。。。などもあり, まあ入院前提となるのであろう.

でも中には, 絶対入院したくないーーという人もいると思うので, 
その場合に押さえておくと良いかもしれないですね.

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