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2016年10月28日金曜日

クランベリーによる尿路感染症予防

クランベリーに含まれるキナ酸が尿の酸性化、GNRの尿路上皮への付着を阻害効果があり, 尿路感染症の予防効果があると言われている.

UTI予防目的のクランベリーの効果を評価した13 trialsのMeta-analysis
(Arch Intern Med 2012;172:988-996)
・9 trialsがクランベリージュースを使用し, 4 trialsがタブレット、カプセルを使用。
 クランベリーの摂取量は400mg〜194.4g/日

アウトカム;
 クランベリージュースは有意に尿路感染症リスクを軽減する; RR0.62[0.49-0.80]

サブグループ解析では,
 再発性UTI, 小児で有意差を認める.
 ジュース使用群、1日複数回の内服群がより効果的と言える.
Subgroup
N
RR
再発性UTIの女性
2
0.53[0.33-0.83]
神経因性膀胱
4
0.80[0.57-1.14]
小児
1
0.28[0.12-0.64]
高齢者
1
0.51[0.21-1.22]
妊婦
1
4.57[0.25-83.60]
年齢 <18yr
2
0.33[0.16-0.69]
年齢 ≥18yr
7
0.68[0.52-0.89]
女性のみ
4
0.49[0.34-0.73]
クランベリージュース使用
5
0.47[0.30-0.72]
クランベリー錠剤, カプセル
3
0.79[0.44-1.44]
12回以上投与
4
0.58[0.40-0.84]
11回投与
1
1.03[0.64-1.66]


Funnel Platでも特に偏りは認めない.

2013年にでた24 RCTsのMeta
(JAMA 2013;310:1395-1396)
この結果からは, クランベリーにUTI予防効果は期待できない.

GIMにとって高齢者のUTIはCommon disease.
特に施設入所者では繰り返す事も多いため, 少しでも予防ができれば良いと思っているが,
最近発表された施設入所者に対するクランベリーの予防効果を評価したRCTを見てみると

Long-term care facilitiesの入所者 928例を対象としてクランベリーカプセルのUTI予防効果を評価したDB−RCT
(J Am Geriatr Soc 62:103–110, 2014. )
・クランベリーカプセル vs Placeboを12ヶ月間継続
 カプセルには9mgのproanthocyanidinsが含有. 1日2回内服.
・患者群をUTI 低リスクと高リスク群に分類し各群におけるUTI予防効果を評価.
 (高リスク: 長期間の尿道カテーテル, DM, UTIの既往歴)
リスク
Risk difference
HR
低リスク群
6.9[-6.9~20.7]
1.22[0.84-1.77]
高リスク群
-22.0[-41.4~-2.7]
0.74[0.57-0.97]
高リスク群で
カテーテル(-)
-26.9[-47.4~-6.5]
0.67[0.49-0.91]
施設入所者で高リスク患者ではクランベリーによる予防効果は期待できる

Nursing home入所中の高齢女性を対象としたDB-RCT.
(Effect of Cranberry Capsules on Bacteriuria Plus Pyuria Among Older Women in Nursing Homes A Randomized Clinical Trial. JAMA)
・65歳以上の女性で, 長期間施設入所中の185例を対象とし, クランベリーカプセル vs プラセボに割り付け, 1年間継続.
 クランベリーカプセルには1CPあたり36mgのproanthocyanidinが含有
 2CP/日使用し, 合計72mg: クランベリージュース 約600mlに相当.
アウトカムは細菌尿(1-2種類の細菌が培養で≥105CFU/mL で定義) + 膿尿(尿中WBC陽性で定義). 2ヶ月毎に評価.

母集団
前のStudyで高リスクの基準であったDMは27%, 1年以内のUTIの既往がある患者が30%程度

アウトカム
細菌尿+膿尿は両者で有意差なし

入院リスク, 抗生剤使用頻度も双方で有意差を認めない.

施設入所者でのクランベリーもあまりUTI予防効果はないのかもしれない.
後者では感染症リスク別の解析はなく, 前者ではDM, カテーテル, UTI既往で定義される高リスク群での解析を行い, 高リスク群では予防効果が期待できるとの結論になっている.

繰り返す患者ではダメ元でやってみる. という選択肢はまだ残されているように思う

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