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2016年7月21日木曜日

間質性肺炎ではNail-fold capillaryの異常をチェックする習慣を

以前 Nail-fold capillaryの評価は強皮症診断や皮膚筋炎診断において重要,
さらに強皮症におけるNail-fold capillaryの異常は肺高血圧や間質性肺炎との関連性が高いということを記載した.
詳しくはこちら

個人的には, 強皮症疑いの患者以外に, 間質性肺炎所見がある患者でも必ずNail-fold capillaryをチェックしている.
たまに間質性肺炎 + Nail-fold capillary(NFC)異常が認められ, 後々 ANA speckled が陽性, Scl-70が陽性。。。など強皮症に矛盾しない検査結果や所見が得られることも多い.

個人的な印象では 間質性肺炎患者においてNFC異常があれば, CTD-ILDの可能性が高いと思っている.



然しながら,


強皮症患者において, NFCを評価し, 間質影との相関性を評価しているStudyは多いが,
ILD患者において, NFCを評価し, SSc由来ILDやCTD-ILDとの相関性を評価しているStudyは少ない.

いくつか調べていると,

50例の特発性ILD, CTD-ILD, コントロール患者において, NFCを評価.
(Tuberk Toraks 2015;63(1):22-30)
・患者は
 特発性ILD(18): さらに特発性IPF(8), 特発性NSIP(10)
 膠原病肺(CTD-ILD)(15): さらにRA-ILD(7), SJS-ILD(8)に分類
 肺病変(-)コントロール群(17): さらにRA単独, SJS単独群に分類の3群, 6サブグループに分類し, Nail-fold capillary所見を評価.

Nail-fold capillaryは以下で評価
・正常: 毛細血管数 7-10本/mmで, ヘアピン様のループが並列している. 出血や蛇行, 交差, 血管新生は認められず
・軽度異常: 7-10本/mmで, 蛇行が<50%で認められる. ループは並列で, 出血や血管新生は認められず
・高度異常: 毛細血管の減少あり. 蛇行が>50%で認められる. 拡張やループの変形, 出血あり. >50%の血管新生, 拡張, 微小出血を認める.

アウトカム: 拡張所見はCTD-ILDで多く認められる

・毛細血管数はCTD-ILDで少ない傾向がある
・特発性ILDでもNFC異常所見は認められ, 特にねじれ所見が多い.
 拡張所見や微小出血, Bushy(もじゃもじゃした所見), 奇妙な所見はCTD-ILDで多い所見. 

ただし, このStudyではRAやSJS由来のILDのみであり, 強皮症由来ILDは含まれていない.

Lung-dominant CTD 52例の解析.
(J Bras Pneumol. 2015;41(2):151-160 )
・LD-CTDの定義はILD症例において,
 特異的なCTDの確定診断に足る肺外所見が乏しく(= 症状/所見は1つ以上ある)
 他のILDの原因が認められず, 
 さらに以下の1項目以上の自己抗体が陽性 or 2項目以上の組織所見を満たす
・CTD症状は関節痛, 関節炎, 朝のこわばり, 日光過敏, 皮膚所見, Gottron徴候, Heliotrope疹, レイノー現象, Sicca症候群, 難治性のGERD症状など

LD-CTDにおけるHRCT所見

・NSIPパターンが最も多い.
・CTで食道異常所見をチェックするのも大事.

Nail-fold capillaryの評価は22例で施行され, 17例(77%)で異常.
異常は強皮症様パターンが多い.

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いろいろ調べてはみましたが, やはりILD→NFCチェックというアプローチの論文は少ないようです。

ILD患者においてNail-fold capillaryの異常を認めた場合, CTD-ILDの可能性は上昇するものの, 特発性ILDでも蛇行くらいはあり得る.

拡張所見や出血, もじゃもじゃ, 変なNail-fold capillaryはやはりCTD-ILDかもしれないと捉えるべきか。

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