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2015年8月18日火曜日

肝硬変 + 心房細動で抗凝固薬をどうするか

心房細動では血栓症予防として抗凝固薬を使用することが多い。
抗凝固薬で重要な合併症は出血であるが、
肝硬変患者ではそもそも凝固能が低下している点、食道静脈瘤など出血リスクが高いことから、抗凝固薬の使用に迷うことがある。

肝硬変 + 心房細動患者において、抗凝固薬を使用する利点、欠点についてはあまり前向きStudyがない。

肝硬変 + Af患者 321例を対象としたRetrospective study.
(International Journal of Cardiology 180 (2015) 185–191 )
 Child-Pugh Aが215例, B, Cが106例.
 ワーファリンを使用したのが173例であった.

 ワーファリン使用群の方がよりCHADS2スコアは高く, HAS-BLEDも高い.

アウトカム

ワーファリン使用群の方が脳梗塞リスクは低いが出血リスクは高くなる.
 Child−Pugh Aでは脳梗塞予防効果の方が出血リスクを上回るがB, C群では出血リスクの方が上回る結果.
Child-Pugh A群ではワーファリンにより有意な脳梗塞予防効果があり, 出血リスクは有意差はないが,
B, Cでは予防効果に有意差はない. 反対に出血リスクは上昇する結果

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後ろ向きStudyであり、エビデンスレベルは低いのが問題点であるが、
Child−Pugh B, CのAf患者は注意した方が良さそう。

ところで、正直な話、肝硬変患者でAfがあり、抗凝固療法に迷う患者って、
そこまで頻繁に経験したことがない。
肝硬変も、Afも比較的コモンな病気なのに、、、なぜ?

こんな報告がありました。

肝移植待ちの肝硬変患者1302例を後ろ向きに評価
(J Cardiovasc Dis Res. 2012 Apr;3(2):109-12.)
 Afと診断されたのはわずか2例のみ(0.15%)
 LAの拡張(>39mm)を認めたのは51%であり, Af 2例も拡張群に含まれていた.
肝硬変患者の半分がLA拡張がある割に、Afは非常に少ない。
一般人口のAf発症率よりも明らかに少ない結果であった。

通常代謝される毒素や代謝物が肝硬変患者では蓄積し、それらが抗不整脈作用を持つ説や
肝不全による炎症反応の低下が関連している説などある

このStudyの著者曰く、
 このような患者群で肝移植を行うと, 術後ICUでのAfの発症率は高いとか.

確かに、感覚的にも少ないので、たまに肝硬変+Af合併例にあたると、いつも迷います。

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