IVCフィルターによる肺塞栓予防効果を評価したRCTはPREPIC 1,2 trialの2つ
PREPIC 1では近位部のDVT患者400例に対する恒久的IVCフィルターの留置を評価したRCT (NEJM 1998;330:409-15)
留置後2年、8年でアウトカムが解析されており、
留置~12D
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Filter(+)
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Filter(-)
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OR
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NNT(H)
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全PE
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1.1%
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4.8%
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0.22[0.05-0.90]
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27
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Major bleeding
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4.5%
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3.0%
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1.49[0.53-4.20]
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死亡
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2.5%
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2.5%
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0.99[0.29-3.42]
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留置~2yr
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Filter(+)
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Filter(-)
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OR
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NNT(H)
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DVT再発*
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20.8%
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11.6%
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1.87[1.10-3.20]
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10.8
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症候性PE
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3.4%
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6.3%
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0.50[0.19-1.33]
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Major bleeding
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8.8%
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11.8%
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0.77[0.41-1.45]
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死亡
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21.6%
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20.1%
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1.10[0.72-1.70]
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8yr
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Filter(+)
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Filter(-)
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OR
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NNT(H)
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症候性PE
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6.2%
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15.1%
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0.37[0.17-0.79]
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11.2
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症候性DVT
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35.7%
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27.5%
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1.52[1.02-2.27]
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12.2
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症候性静脈血栓症
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36.4%
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35.4%
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1.12[0.78-1.62]
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Postthrombotic syn
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70.3%
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69.7%
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0.87[0.66-1.13]
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死亡
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48.1%
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51.0%
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0.97[0.74-1.28]
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Major bleeding
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15.4%
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18.5%
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0.84[0.50-1.42]
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短期的には肺塞栓の発症は予防される一方、
2年間でみると肺塞栓リスクは有意差なし。DVT再発リスクは増加する結果。
8年間での評価では肺塞栓予防効果は認められている。
PREPIC 2は急性の肺塞栓 + 下肢DVT合併患者で、さらにリスク因子を1つ以上有する患者群* 399例を対象として、除去可能なIVCフィルター + 抗凝固薬 vs 抗凝固薬のみに割り付け比較したRCT (PROBEデザイン) (JAMA. 2015;313(16):1627-1635. )
*リスク因子は以下の1つ以上を満たす.
>75歳, 活動性の悪性腫瘍, 慢性の心疾患, 呼吸器疾患,
脳梗塞で下肢麻痺が6ヶ月以上ある,
DVTの部位が総腸骨Vか両側性
右心不全徴候や心筋障害が認められる
DVTの部位が総腸骨Vか両側性
右心不全徴候や心筋障害が認められる
IVCフィルターは留置後3ヶ月で除去するように予定。実際除去されたのは153例。
抗凝固薬は6ヶ月間使用した。
アウトカム
肺塞栓の再発リスク、死亡リスクに有意差はない結果
不安定な肺塞栓患者(ショックや呼吸器管理が必要となる患者群)ではIVCフィルターは有用かもしれない。
肺塞栓患者に対するIVCフィルターの効果をNationwide inpatient sampleより患者を抽出して評価
1999-2008年に肺塞栓で入院した2110320例を解析
安定したPEでDVT(-)ではIVC filterによる死亡リスク改善効果あり
ただしNNT 100以上と効果はイマイチ.
不安定患者では死亡リスク改善効果が特に高い(NNT <10)
ただしNNT 100以上と効果はイマイチ.
不安定患者では死亡リスク改善効果が特に高い(NNT <10)
(The American Journal of Medicine (2012) 125, 478-484 )
このコホートで不安定患者のみを評価したStudyではどの年齢層でもIVCフィルター留置群で予後改善効果が認められた。(The American Journal of Medicine (2014) 127, 222-225 )
IVCフィルターの推奨
(J Am Coll Cardiol Intv 2013;6:539–47)
明らかなIVC filterの適応としては,
抗凝固薬が使用できない場合
抗凝固薬で効果が乏しい場合の2つのみ
抗凝固薬で効果が乏しい場合の2つのみ
また不安定なPEでは予後改善効果が見込める
Free floating venous thrombosisはIVC filterの適応とはならない.
Free floating venous thrombosisの存在は特にPEのリスクとはならない点, 上記血栓が認められる場合, すでに大半のPEが発症している点が理由となる (Blood Reviews 27 (2013) 225–241)
また、”除去可能”IVCフィルターといっても、実際除去されているのは半分以下という報告がある。(Blood Reviews 27 (2013) 225–241)
施設によっては<10%のところも。(JAMA Intern Med 2013;173:513-517)