JAMA. 2015;313(13):1325-1335.
CSPPT trial: 中国において, 高血圧(+), 脳梗塞(-), MIの既往(-)を満たす患者20702例を対象としたDB−RCT
MTHFR C677T genotypeを評価(CC,CT,TT)し, 遺伝子型も評価.
MTHFRはMethylenetetrahydrofolate reductaseで葉酸代謝に関連.
MTHFR C677T TTは上記酵素の活性が低下し, 葉酸が低下し, 動脈硬化リスクとなることがわかっている.
MTHFR C677T TTは上記酵素の活性が低下し, 葉酸が低下し, 動脈硬化リスクとなることがわかっている.
TT型は日本人では10数%と言われている
上記を満たす患者群を
エナラプリル10mg + 葉酸 0.8mg/d vs エナラプリルのみに割り付け, 脳梗塞, 脳虚血の発症率を評価.
母集団: 中国ではCC 27%, CT 49%, TT 24%の分布
遺伝子型別の葉酸値、葉酸値の変化
TT型では葉酸値は低い傾向. 葉酸投与の有無に関わらずStudy終了時には葉酸値は上昇している。
アウトカム:
全体の評価では葉酸を投与した群でよりStrokeリスクは低下.
ADD 0.7%, NNT 141[85-426]/4.5年間
遺伝子型、葉酸値別の評価
CCとCT型では葉酸値が低いほどStrokeリスクは高い。
葉酸値が平均よりも低い場合は葉酸の補正にてStrokeリスク軽減効果が期待できる。
TT型では葉酸値に関わらずStrokeリスクが高い.
葉酸値が低くても葉酸補充によるStrokeリスクの軽減効果は乏しい。
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MTHFR C677T TT型では葉酸が低いため、補充でStrokeリスクが改善するかどうかというと実はしない。
むしろ遺伝子型がCC, CTの患者で葉酸が低い場合は葉酸補充でリスクが改善するという結果。
一般人口ではCC CT型の方が多い為、葉酸値を評価して低い場合は補充、という考えはアリかもしれない。
その場合のカットオフは< 9ng/mL程度となる。