ブログ内検索

2015年4月3日金曜日

成人における自己炎症性症候群の予測スコア

成人例の繰り返す発熱を呈する患者群において、成人の発症もありえる家族性地中海発熱とTRAPSの原因遺伝子であるMEFV遺伝子、TNFRSF1A遺伝子変異の存在を予測する因子を抽出し、329例でValidationを施行。

FMF、TRAPSの可能性を上昇させる因子は
発症年齢(OR 0.43)、
繰り返す発熱の家族歴がある(OR 5.81)、
発熱時に胸痛がある(OR 3.17)、
発熱時に腹痛がある(OR 3.80)、
発熱時に皮膚所見がある(OR 1.58)であった。

(Delivation, Validation: Int J Immunopathol Pharmacol. 2010 Oct-Dec;23(4):1133-41.)
(Validation: Int J Immunopathol Pharmacol. 2011 Jul-Sep;24(3):695-702.)

これらからスコアを作成
因子

スコア
因子

スコア
発症年齢
>60歳
51−60歳
41−50歳
31−40歳
21−30歳
11−20歳
<10歳
-2.315
-1.574
-1.110
-0.390
-0.261
-0.591
0
胸痛*
常にあり
しばしば
時に
なし
1.297
1.235
0.763
0
腹痛*
常にあり
しばしば
時に
なし
2.107
0.898
0.586
0
皮疹*
常にあり
しばしば
時に
なし
0.771
0.228
0.110
0



家族歴†
あり
なし
2.865
0
*発熱時の症状として認め、他の理由がない。†繰り返す発熱の家族歴。

スコア = -0.15 + [年齢] + [腹痛] + [胸痛] + [皮疹] + [家族歴]で計算
スコア≥-0.985で感度73%、特異度73%、LR+ 2.7、LR- 0.37でFMFもしくはTRAPSの遺伝子異常がある可能性が示唆される。(Autoimmun Rev. 2012 Nov;12(1):10-3.)