・GCAに対する治療では, TNF阻害薬やアザチオプリン, シクロホスファミドなどのデータは乏しく, または効果が期待できない結果が得られている.
・一部の報告ではMTXは効果が期待できるが, それも結論が得られていない
・IL-6阻害薬は効果が証明された薬剤の一つであるが, CRPを抑制することでモニタリングが困難となる欠点がある.
・GCAの血管炎病変では, 外膜の活性化樹状細胞とIFNγを産生するTh-1細胞とIL-17を産生するTh-17細胞の集積が認められる.
IL-17Aが多く発現していることから, IL-17Aを阻害することで病勢のコントロールができる可能性が示唆されている.
TitAIN trial: 初発/再発性のGCAでBio未使用, PSL 25-60mg/dを使用中である患者を対象としたphase II DB-RCT.
(Lancet Rheumatol 2023; 5: e341–50)
・上記患者群をSecukinumab(IL-17A抗体) 300mgを週1回, 4週間. 以後4週毎 とPlacebo群に割り付け, 28wkにおける寛解維持率を比較した.
また52wkまでフォローし, PSL累積投与量, PSL減量成功率など比較
・PSLは両群で26wkにOffとするように減量.
・12wkまでに寛解が達成できなかった患者群や寛解後に再燃した患者, PSL減量が守れなかった患者群は責任医師の臨床判断にてPSLを使用(Escape群とした) (Secukinumab, Placeboは継続)
アウトカム
・28wk時点での寛解率は介入群で70% vs Placebo群で20%
RD 0.50[0.29-0.67]と有意に介入群で良好
・52wkでの寛解率は 59% vs 8%と有意に介入群で良好
・再燃までの期間は Placebo群で197日[101-280] 介入群では計算不可
・PSL投与量は,
介入 | Placebo | |
~28wk | 2506mg[990-6156] | 2359[441-4996] |
~52wk | 2506[990-6156] | 3466[441-6274] |
Escape群 | 9例 | 19例 |
PSL≤5mg @19wk | 88% | 50% |
PSL≤5mg @28wk | 83% | 45% |
PSL≤5mg @52wk | 90% | 76% |