感染性心内膜炎の診断基準であるDuke基準は1994年にオリジナルが発表され,
2000年に現在よく使用される修正Duke基準となった.
さらにそれから画像検査技術の発達; 心臓CTやMRI, PET/CTなど,
培養検査の発達; PCRなどがあり, 修正Duke基準に追加する形で各ガイドラインが画像基準などを組み込んでいるのが現状.
修正Duke基準から23年. あらたなDuke基準. 来る.
2023 Duke-ISCVID基準 (Clin Infect Dis. 2023 May 4;ciad271. doi: 10.1093/cid/ciad271.)
修正Duke基準からの変更点は太字としました.
Major criteria
Major criteria | 内容 |
A) 微生物学的基準 | (1)血液培養陽性 |
B) 画像基準 | (1) 心エコー, 心臓CT検査所見 ・心エコーにおいて, 新規の著明な弁逆流を認める. 以前認めた逆流所見の増悪や変化のみでは不十分とする (2) PET/CT所見 |
C) 外科基準 | 心臓手術において, 直接観察された心内膜炎所見を認める. |
Minor criteria | 内容 |
A 背景因子 | ・心内膜炎の既往 ・人工弁 ・心臓弁手術の既往 ・先天性心疾患 ・中等度以上の弁逆流症や弁狭窄症 ・心血管植え込み型電子デバイス ・閉塞性肥大型心筋症 ・静注薬物濫用 |
B 発熱 | 38度以上の発熱 |
C 塞栓所見/徴候 | 臨床的, 画像的に認められる動脈塞栓, 肺の敗血症性塞栓, 脳膿瘍や脾膿瘍, 細菌性動脈瘤, 頭蓋内出血, 眼瞼結膜出血, Janeway lesion, 化膿性紫斑 |
D 免疫学的徴候 | リウマチ因子陽性, Osler結節, Roth斑, 免疫複合体性糸球体腎炎 |
E 微生物学的証拠 | ・心内膜炎の起因菌となる細菌が血液培養より検出されたが, Major criteriaは満たさない ・心臓組織, 心内デバイス, 塞栓以外の無菌部位より採取された培養より心内膜炎の起因菌となる細菌が検出される. または弁やワイヤーより, 皮膚常在菌のPCRが1回のみ検出され, 他に心内膜炎を示唆する証拠が認められない場合. |
F 画像基準 | 人工弁, 上行大動脈グラフト(弁を含む), 心内デバイス留置後3ヶ月以内で, PET/CTにより異常な代謝信号が認められた. |
G 身体所見基準 | 心エコーが困難な状況で, 聴診により新規に弁逆流が認められた場合 |
判断 | |
Definite | A) 病理学的基準 |
B) 臨床基準 (3) 5 Minor criteriaを満たす | |
Possible | A) 1 Major + 1 Minor criteria |