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2023年3月6日月曜日

心筋障害を伴う膠原病

 ○○性の横紋筋融解症+心筋炎症例があったので

膠原病で心筋障害を伴うものはどのような疾患があるのか? を最近のレビューからまとめ

(Autoimmunity Reviews 21 (2022) 103037)


疾患

頻度

特徴

診断に有用な所見

予後への関連

心サルコイドーシス

臨床診断 0.58-7.4%
心臓MR 13-45.7%
剖検 24-45%

見逃されている症例が多い可能性がある
様々な臨床パターン

心内膜生検, PET, AHA, AIDA

予後悪への関連

SLE

臨床診断 3-11%
剖検 15-50%

女性例が90-100%
31%
は心原性ショック

高活動性のLupusは心筋障害のリスク

重症度が低ければステロイドで心機能の改善んが期待

SSc

心内膜生検で 3%程度

心臓Raynaud現象

心臓MRでのびまん性の心筋線維化. AHA, AIDA

SSc関連死亡の26%が心疾患

EGPA

8-38%で心筋炎の報告

好酸球性心筋炎
男女差は無し

ANCA陰性例の方がより頻度が高い

若年診断例で高リスク心筋炎頻度が高いと予後悪と関連

抗リン脂質抗体症候群

稀に報告

致命的な症例の14%が心臓障害を伴うCAPS

心内膜生検心筋MR, 免疫グロブリン, C3沈着所見

CAPSで心筋障害を合併予後が悪い.

皮膚筋炎

38%で心筋障害

心血管障害の合併は主な死因の1つとなる

心内膜生検心筋MR

死亡原因の46.3%が心疾患による

高安病

心内膜生検で50%

アジアの若年女性で多い疾患.

心内膜生検心筋MR, PET

TA活動性と相関して心筋障害を認める

炎症性腸疾患

全体の頻度0.01%
UC
0.018%, 
CD
0.009%
70%
が心外膜炎の報告

5-ASAの薬剤性障害の関連もある.

心筋のリンパ球浸潤や巨細胞浸潤が認められる.

巨細胞性心筋炎は予後不良と関連


サルコイドーシス, SLE, SSc, EGPA, APS, DM, TAK, IBDが代表的なところ.