○○性の横紋筋融解症+心筋炎症例があったので
膠原病で心筋障害を伴うものはどのような疾患があるのか? を最近のレビューからまとめ
(Autoimmunity Reviews 21 (2022) 103037)
疾患 | 頻度 | 特徴 | 診断に有用な所見 | 予後への関連 |
心サルコイドーシス | 臨床診断 0.58-7.4% | 見逃されている症例が多い可能性がある | 心内膜生検, PET, AHA, AIDA | 予後悪への関連 |
SLE | 臨床診断 3-11% | 女性例が90-100% | 高活動性のLupusは心筋障害のリスク | 重症度が低ければステロイドで心機能の改善んが期待 |
SSc | 心内膜生検で 3%程度 | 心臓Raynaud現象 | 心臓MRでのびまん性の心筋線維化. AHA, AIDA | SSc関連死亡の26%が心疾患 |
EGPA | 8-38%で心筋炎の報告 | 好酸球性心筋炎 | ANCA陰性例の方がより頻度が高い | 若年診断例で高リスク. 心筋炎頻度が高いと予後悪と関連 |
抗リン脂質抗体症候群 | 稀に報告 | 致命的な症例の14%が心臓障害を伴うCAPS | 心内膜生検, 心筋MR, 免疫グロブリン, C3沈着所見 | CAPSで心筋障害を合併. 予後が悪い. |
皮膚筋炎 | 38%で心筋障害 | 心血管障害の合併は主な死因の1つとなる | 心内膜生検, 心筋MR | 死亡原因の46.3%が心疾患による |
高安病 | 心内膜生検で50% | アジアの若年女性で多い疾患. | 心内膜生検, 心筋MR, PET | TA活動性と相関して心筋障害を認める |
炎症性腸疾患 | 全体の頻度0.01% | 5-ASAの薬剤性障害の関連もある. | 心筋のリンパ球浸潤や巨細胞浸潤が認められる. | 巨細胞性心筋炎は予後不良と関連 |