中年のSeropositiveの関節リウマチ患者.
MTX, SASPで治療を行い, 比較的速やかに関節症状は改善し, 以後数カ月治療を継続していた.
3ヶ月ほど前より指に小結節を生じるようになったと相談.
診察すると, 両手指に2mm程度の平滑な皮下結節を認めた. 関節とは接しておらず, 疼痛もなし.
RA自体の活動性は寛解のまま. 炎症反応の増多もなく, 結核やNTMを疑う肺病変も認めず.
この結節は?
MTXを使用中に皮下結節を生じることがある.
MTX-induced accelerated nodulosis
(Pharmacotherapy 2002;22(9):1157–1162)(Acta Derm Venereol 2014; 94: 357–358)(CMAJ. 2015 Jul 14;187(10):E327.)
・RA患者でMTXを使用中に生じる皮下結節であり, その頻度は8-11.6%とそれなりにある.
・MTX開始後〜出現までは3ヶ月〜12年間と様々
総投与量も90-2700mgと幅が大きい.
・リウマチ結節との違いは, より小さいものが多く, 比較的急性に出現する.
また関節から離れた部位に生じる
RAの疾患活動性への相関性はなく, 生じる際は関節炎は寛解, 低活動性のことが多い.
リウマチ結節 | MTX nodule | |
サイズ | 同じ大きさ〜より小さい | |
部位 | 指関節, 関節伸側 | 関節とは離れた部位 |
経過 | 慢性的 | 比較的急性に生じる |
RA活動性 | 活動性が高い時期に生じる | 低活動性〜寛解状態でも生じる |
頻度 | RAの20-40% | MTX投与例の8-11.6% |
その他 | Bio投与にて増悪する例もあり |