(Clinical Infectious Diseases® 2022;74(4):657–67)
20年間の肺炎球菌性髄膜炎症例の前向きコホート
・オランダにおけるNation-wide prospective cohort. 1998年-2002年と, 2006年-2018年の2期間における成人例の肺炎球菌性髄膜炎症例を評価, 比較.
・7価ワクチンが米国で推奨されたのが2000年. その後13価ワクチンが登場.
細菌性髄膜炎に対するデキサメサゾンのRCTが発表されたのが2002年
>> つまり, 前半の期間はワクチンやDEXの使用が一般的ではなかった時期
後半はそれらが一般的なプラクティスとなった時期と考える.
・合計1816例の髄膜炎症例を評価(1783名より)
Serotypeの変化
・肺炎球菌ワクチンが一般的となってから, ワクチン関連株による髄膜炎は減少.
神経予後
・2002年にDEXのRCTが発表されてから, 神経予後良好例も増加傾向がある
・他の予後不良の因子としては,
高齢者(≥75歳) OR 4.03
男性 OR 1.51,
免疫不全 OR 1.50
来院時意識障害, 脳神経障害, CSF所見, CRP値が挙げられる.
・DEXの使用は予後不良のリスクを低下させる OR 0.58[0.46-0.74]
死亡リスク因子も
・高齢者, 男性, 意識障害, CSF所見が挙げられ,
・DEX使用は死亡リスクを低下 :全死亡OR 0.43[0.30-0.63]