(JAMA Intern Med. 2021;181(12):1623-1630. doi:10.1001/jamainternmed.2021.6227)
VZVワクチンによるGBSリスク
・65歳以上でRecombinant VZVワクチン(RZV, シングリックス)を接種した849397例と 65歳以上で生ワクチン(Zostavax, ZVL)を接種した1817099例において, ワクチン接種後(1-42日)におけるGBS発症リスクを評価した報告
・6ヶ月以内にGBSの診断が既にされている患者や, RZVを添付文章外使用した患者(3回以上投与した患者, 1回目投与から42日以内に2回目を投与した患者)は除外.
・RZVにおけるGBSリスクを評価するために,
ZVL投与後1-42日で発症したGBSをControlとして評価.
また, Self-controlとして, Control periodとしてワクチン接種後 43日~183日を設定(1回目, 2回目ともに). その間に発症したGBSをControlとしてRZV投与後1-42日におけるGBS発症率を比較した.
両群の母集団
アウトカム
・GBS発症症例
RZVとZVLにおける比較
・GBSはRZVで15例(100万件で0.29例), ZVLで9例(100万件で0.12例)
RZVはZVLと比較して有意にGBSリスクが高い(RR 2.34[1.01-5.41])
RZVのSelf-controlにおける評価
・Self-controlでは, RR 4.30[1.76-10.53]
100万件のワクチン接種あたり, 6.47[2.50-10.45]例のGBSが増加
Discussionより
・VZV再活性化後のGBSリスクはRR 4.0[1.9-8.7]
100万回の感染エピソードあたり12.8例[3.7-31.9]と推測される
・このデータとワクチンの効果(97%)を考慮すると, 100万人の完全接種者あたり6.26件のGBSが発症する.
・RZVのリスクベネフィットを調査したモデルによると,
60-69歳におけるRZVワクチン接種において,
過剰なGBSは6.3例,
予防できたVZV再活性化は61600例
(このうち死亡の可能性62例, 眼合併症5500例, 帯状疱疹後神経痛が9350例) とRZVのVZV再活性化予防効果はGBSリスクを上回るベネフィットと捉えられる.