ブログ内検索

2019年1月10日木曜日

急性疾患入院患者における院内DVTの頻度

ICU管理ではDVT予防は一般的なマネジメントであるが、
非ICUにおける急性疾患入院患者での予防については明確な推奨はない。
そもそもそのような患者群ではDVTリスクも低いと考えられている
実際の感覚としてもあまり多くないように思う

AURELIO: 急性疾患にて5日以上入院した患者において, 入院時・退院時に圧迫下肢静脈エコーを施行した報告
(Mayo Clin Proc. 2019;94(1):37-43 )
・イタリアからの報告
・内科病棟に急性疾患で入院した患者を対象.
 抗凝固療法中の患者, 入院4wk前, 入院2wk以内に外科手術を施行した患者, ICUから内科病棟に移動した患者, 入院時に症候性のDVT, PEを認める患者は除外

母集団

・入院時にエコーを行い, DVT(+)例は除外
 >> 除外されたのは1.9%[1.3-2.8]
・残りの1170例において, 退院時にも下肢静脈圧迫エコーを行い, 入院中のDVT発症率を評価した.

アウトカム:
・1170例中、250(21%)で非経口の抗凝固療法にて予防を行なっていた
 予防群と非予防群の比較

・入院期間は13±8日間

退院時のエコーにて近位部DVTを認めたのは3(0.025%)
・頻度にして1/5017患者・日
・3例中、2例が予防を行なった患者群で発症

------------------------------
内科の急性疾患入院患者における, 入院中のDVT発症率は0.025%と非常に低い
入院時のDVT発見率の方が高いくらい(1.9%)