便細菌叢移植は難治性Clostridium difficile腸炎に対して有用な治療と報告されているが,
潰瘍性大腸炎でも効果が見込める可能性が示唆.
(JAMA. 2019;321(2):156-164. )
軽症~中等症の活動性UC患者73例を対象としたDB-RCT.
・患者は活動性のUCでMayo score 3-10, Endoscopic subscore≥2を満たす
・Mayo score 11-12, Truelove and Witts criteriaで重症例は除外
(血便>6回/日 + 体温>37.8度, HR>90, Hb<10.5, ESR>30/hの1項目以上)
嫌気状態で準備されたドナーからの便細菌叢と
患者本人の便細菌叢を大腸内視鏡を用いて移植し,
その後7日間以上かけて2回の注腸を施行.
・自己便細菌叢群では8wk後にOpen-labelでドナー便細菌叢移植を施行し,
両群とも12ヶ月間フォローした.
・8wk以内のステロイドフリー寛解率を比較:
寛解: Mayo score ≤2 + Endoscopic Mayo score ≤1で定義
患者群
アウトカム
・8wkにおけるステロイドフリー寛解は有意にドナー便細菌叢移植で良好
NNTは4.3[2.4-25]
・臨床的反応率も良好 (Mayo scoreの変化は表ミスで逆となる)
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活動性UCの8wk間の短期的効果を評価したRCTであり, 今後大規模な長期予後を評価する研究が組まれると予測される.
UCの増悪に細菌感染が関連していることは実感的にあり, 腸内細菌叢の調節はよいのかも.
近い未来、日本うんこ便(JUB: japan unko-bin)なるベンチャーが誕生すると予言しよう.