(BMJ. 2006 Dec 9;333(7580):1193.)
・静注抗生剤3日間投与後, 安定していれば経口投与に切り替える群 vs 7日間静注投与を継続する群に割り付け, 比較.
・重症CAPの定義はPSI IV, V もしくはATSの基準にて重症肺炎を満たすことで定義
・人工呼吸器, Cystic fibrosis, 呼吸器の構造的障害があり,GNBの常在が証明されている患者, 余命が1ヶ月以内の患者, 重度の免疫不全(Neu<500, CD4<200)は除外
・臨床的に安定の定義は以下
呼吸数<25/分,
Sat >90%もしくはPaO2 >55
血行動態安定
発熱が>1度低下を認める
意識障害なし
経口内服が可能 を満たす群
・抗菌薬は経口切替群は合計10日間
IV継続群は7日間使用
母集団データ
アウトカム
・両者で臨床的治癒率, 治療失敗リスクは有意差ない結果
腸内細菌の菌血症患者を対象とした後ろ向き解析のPropensity-score matched analysis.
(JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2018.6226 )
・患者は腸内細菌科の単一菌による菌血症であり, 感染巣コントロールが正しく行われ, 抗菌薬治療が1日目より開始され, Day 5には臨床的な反応が得られている患者を対象.
上記を満たす患者群をDay 5までに経口投与に切り替えた群と
最後まで経静脈投与を継続した群を抽出し, Propensity-acore matched analysisにて30日死亡リスクを比較した.
・腸内細菌科: Cidtrobacter spp, Enterobacter spp, E coli, Klebsiella spp, Proteus mirabilis, Serratia marcescens.
・臨床的反応はPitt bacteremia score≤1で定義
母集団
・UTIが4割程度.
消化管が2割
ICU管理されたのは2割
アウトカム
・30日死亡率は13%程度であり, 両群とも有意差はない(HR 1.03[0.820-1.30])
・菌血症再発リスクも有意差なし(IV群0.8%, 経口0.5%, HR 0.82[0.33-2.01])
参考: レビューにおける経口薬への変更基準
(J Pharmacol Pharmacother. 2014 Apr;5(2):83-7.)
参考: 経口抗菌薬のBioavailabilityと変更の例
(J Pharmacol Pharmacother. 2014 Apr;5(2):83-7.)
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肺炎や腸内細菌菌血症では改善傾向があれば3-5日目に経口へ切替えが許容される.
ICUや免疫不全患者, 心内膜炎や骨髄炎、膿瘍ではまだ不明確ではある.