http://hospitalist-gim.blogspot.com/2016/05/aki.html
AKIKIとELAINはICU患者全体で評価しており, 背景疾患が両者で異なっている.
今回発表されたIDEAL-ICUでは, 敗血症性ショック患者のAKIで透析導入のタイミングを評価
IDEAL-ICU trial: 成人の敗血症性ショックで, 重症のAKIを合併し, RIFLE基準において腎不全を満たす患者群を対象.
(N Engl J Med 2018;379:1431-42.)
・RIFLE基準の腎不全: Cr値が3倍, もしくは4mg/dL以上, GFRが>75%減少
尿量が<0.3ml/kg/hが24h, 無尿が12h持続で定義.
・上記を満たし, 緊急透析が必要な病態が除外された患者において,
12時間以内の透析導入群(早期群)と
48時間経過観察後に改善しなかった症例で透析導入を行う群(晩期群)を比較したopen-label RCT.
・晩期群ではモニタリングを行い, 緊急透析適応と判断された場合はその時点で透析を開始.
血清K>6.5mEq/L, 代謝性アシドーシス(pH<7.15), Fluid overload
・48時間の経過観察において, Cr値が低下, 尿量が>1000mL/24h(利尿薬使用中の患者では>2000mL)となる症例では透析導入はしない.
アウトカムは90日死亡リスク, 透析期間, ICU滞在期間
母集団
アウトカム
・90日死亡リスクは有意差なし
・透析を行なった患者は97% vs 62%.
透析導入を待つことで, 3人に1人は透析を回避できる.
・晩期群で緊急透析適応となったのは, アシドーシスで8%, 高K血症で4%, Fluid overloadは2%
合併症
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IDEAL-ICUでは晩期も早期も予後は変わらず, 透析導入を待って粘ることで1/3は回避可能.
いままでのStudyで, AKIKIは敗血症患者が多く含まれ, 晩期と早期で予後は同等. ELAINは外科患者や外傷患者が多く, その場合は早期の方が予後が良かった結果.
これらを考慮すると, 敗血症のAKIでは1-2日待つのもよく, 外科や外傷に伴うAKIでは早期の導入も考慮すべきという認識でよいか.