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2018年3月1日木曜日

敗血症に対するステロイド: ADRENAL study

こちらも参照
敗血症性ショックとステロイド
HYPRESS trial

敗血症に対するステロイドの効果を評価したRCTとして, French trialとCORTICUSは有名.
前者ではPlacebo群の死亡リスクが61%, 後者では32%と重症度に差があり, その点がStudyの結果に影響した可能性が指摘されている.

そこで, ある程度重症に限って数千人規模で評価したADRENAL Studyが2013年に開始され, その結果がついに出版.

敗血症性ショック患者を対象としヒドロキシコルチゾン 200mg/ 投与群 vs プラセボ群に割り付け比較.(N Engl J Med 2018;378:797-808.)
・3800例を導入
投薬は7日間もしくはICU退室, 死亡まで継続.
導入基準と除外基準 (Crit Care Resusc 2013; 15: 83–88 )
導入基準(以下のすべてを満たす)
除外基準
18歳以上
基準を満たして>24時間経過した症例
感染部位が明らか or 感染がかなり疑わしい
敗血症性ショック以外に理由でステロイドが必要
SIRSの基準 2/4以上を満たす
脳マラリアに罹患している患者
人工呼吸器管理(NPVを含む)中
糞線虫症に罹患している患者
血圧維持のためにカテコラミンを使用中
(目標sBP>90, MAP>60mmHg)
エトミデートを使用している患者
アムホテリシンBを使用している患者
カテコラミンを4時間以上使用している患者
死が切迫している状態, もしくは積極的治療希望しない患者

90日以内に基礎疾患により死亡する可能性がある患者

母集団データ
・この集団のAPATCH IIは23-24程度.

アウトカム
両群の90日死亡リスクは28%程度と有意差なし.
 Placebo群の死亡率ではCORTICUS studyとほぼ同等. French trialには至らない.
ショック離脱までの期間, 呼吸器管理期間はステロイド群で有意に短縮される
・輸血頻度も低下

90日死亡リスクとサブ解析
・APATCH II 25で分けても有意差なし

副作用頻度: ステロイドで多い

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密かに待っていたADRENAL studyの結果がでました
結果的にはいままでと認識は変わりなし.

CORTICUSよりも重症例を導入する, と思いきや同程度だったのがやや残念でした