アメリカの5施設におけるDB-RCT.
(Crit Care Med 2017; 45:798–805)
・ERより入院した, ARDS発症リスクがある患者 61例を対象.
・エアロゾル化したBudesonide/formoterol vs Placebo群に割付け吸入療法を併用. 5日間継続.
・投与量はBudesonide 0.5mg/2mL, Formoterol 20µg/2mLを1日2回, 5日間
参考: Budesonideはパルミコート吸入液® 0.5mg
Formoterolはオーキシス® 9µg
Budsonide/Formoterol合剤のシムビコートは1吸入あたり160µg/4.5µg
・アウトカムはS/F (SpO2/FiO2)の変動を比較.
・ARDSリスクは以下の1つ以上を満たす場合で定義:
LIPS ≥4,
急性の呼吸不全でSpO2 92-98%を保つために2L/分以上の酸素投与が必要となる患者.
・ICS/LABAを使用している患者(7日以内)や, 適応となる疾患がある患者, 不整脈など禁忌である患者, ステロイド使用中の患者は除外
母集団
・Control群ではショックが有意に多い.
・来院~吸入までは9時間以内
アウトカム
・ICS, LABA吸入群では有意にS/Fが高値となる
・ARDS以降例は0例 vs 7例
・人工呼吸器使用率は 21% vs 53%
・サブグループ解析でもステロイド+LABA吸入群では酸素化増悪の予防効果, ARDS進行予防効果が期待できる
-----------------------------
小規模のPhase II studyで, 今後大規模Studyが組まれると思いますが, 興味深い結果です.
期待して結果を待ちたいと思います.
気管挿管したくない人で, ギリギリの呼吸状態だなぁ、と思うような場合に試してみよう