発熱, 嘔吐, 下痢で救急を受診した30歳台の男性.
採血にてAST 100, ALT 80程度の肝障害が認められ, 消化器科へ紹介.
その後検査されたが明らかな原因不明.
で, 他の理由(発熱持続)で内科外来を受診した経過.
診察室入った瞬間に体格(全身性の痩せ + 首周りとのギャップ)でバセドウを疑い,
結果的にそうであったという, まあ普通の症例.
----------------------
でこの症例でのClinical Questionとして,
・バセドウ病で肝障害はどの程度あるのか?
・採血でMCV 77, Hb 11g/dL程度の小球性の赤血球, 小球性貧血が認められたが, これもバセドウ病と関係があるか? ちなみにフェリチン 600と低下はない.
Q. 甲状腺中毒症と肝障害
レビュー文献 (Eur J Intern Med. 2015 Oct;26(8):563-71. Thyroid disorders and gastrointestinal and liver dysfunction: A state of the art review.) によると, 甲状腺中毒症の64-70%でALPの上昇が認められ, AST, ALTは37%, 27%で上昇する報告がある.
・これらの上昇する機序は, 肝臓内の血管周囲領域の組織の相対性低酸素に伴うものとされている
・BilやGGTの上昇は稀(5%, 17%)
・肝炎もきたすが, 基本的にSelf-limiting
ただし, 劇症肝炎の報告もある
・組織では非特異的な炎症所見のみだが, 一部の患者でCentrizonal necrosisやprivenular fibrosisが認められる
・また, 肝内の胆汁鬱滞像もある
1514例の甲状腺中毒症患者のうち, 肝胆道系酵素上昇を認めたのは39%
(Clin Endocrinol (Oxf). 2017 May ; 86(5): 755–759. doi:10.1111/cen.13312.)
・TSHが検出感度以下(≤0.02mIU/L)の811例の評価では45%(AST 13%, ALT 13%, ALP 35%, GGT 2%, T-Bil 9%)
・一方, TSHが検出感度以上の697例では33%(AST 18%, ALP 14%, ALP 22%, GGT 2%, T-Bil 15%) と, TSHの低下が著しい方が頻度は高い.
甲状腺機能亢進症の77例中, 初期に肝酵素上昇を認めたのは25例(32.5%)
(Endocr Pract. 2016;22:974-979)
・バセドウ病59例, Toxic nodular goiters 11, toxic adenoma 4, amiodarone-induced thyrotoxicosis 3例
・5例はASTやALTが>2ULNまで上昇していた.
また, この肝酵素上昇はMMI治療開始後は徐々に改善する傾向となる
バセドウ病と無痛性甲状腺炎における肝胆道系酵素の変動を比較すると, 双方とも同様の動態
(Thyroid. 2008 Mar;18(3):283-7.)
・これは抗甲状腺薬による肝障害ではなく, 甲状腺機能の変化が肝障害に関連していることを示唆する
Q. 甲状腺中毒症と貧血, MCV
甲状腺中毒症 353例の解析では, 貧血の合併は31例(8.7%)
(Clin Endocrinol (Oxf). 2018 Jun;88(6):957-962.)
・このうち以前から指摘されている10例と, 他に原因を認めた11例を除外すると, 甲状腺中毒症以外の原因が判然としないのは10例のみ(2.8%)
・貧血の期間は1ヶ月程度で, MCVは77-94と正球性〜小球性気味(正球性が8例, 小球性2例)
バセドウ病 87例の解析では, 貧血合併は31例
・他に原因を認めないバセドウ病に伴う貧血とされたのが21例(24%)
貧血+群における, 甲状腺機能正常化に伴う各数値の変化
・他の原因があっても, 甲状腺機能が正常化するとMCVやHbは上昇し, Ferittinは使用されて低下する.
------------------------
まとめると,
・甲状腺中毒症ではAST, ALT, ALP上昇は3割程度で合併する.
肝炎を呈することもあるし, 稀であるが劇症肝炎となることも.
甲状腺機能正常化とともに肝酵素も正常化することが多い.
ちなみにPTUでも薬剤性肝障害は多く, 3割程度で合併.
・甲状腺機能亢進症では貧血は合併し得るが, 頻度は様々. 数%~20数%と幅広い
貧血は正球性〜小球性となる.
MCVは低下する傾向にあり, 甲状腺機能正常化するとMCVは上昇. またフェリチンも低下することからは鉄利用障害が関係している可能性がある.
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2019年8月10日土曜日
2019年8月8日木曜日
非外傷性の視力障害に対するPOCUS: ViGMOプロトコール
眼球エコーは視神経鞘径の評価と頭蓋内圧亢進についてのデータを紹介した
参考 http://hospitalist-gim.blogspot.com/2012/10/optic-nerve-sheath-diameter.html
それ以外にも眼球エコーは眼球内の異常の評価に有用なことが多い.
眼内異物や硝子体剥離, 網膜剥離など.
ERを受診した眼外傷 or 急性の視力障害 61例のProspective Observational Studyでは,
・61名中, 26例が最終的に眼球内の異常と判断.
内訳は穿通性眼球損傷(3), 網膜剥離(9), CRA閉塞(1), 水晶体脱臼(2)
残りは硝子体出血, 硝子体剥離.
・眼球エコーは, 上記診断, 眼球内障害除外に対して感度96.2%[88-99], 特異度100%[94-100]で予測可能. といった報告もある.
(ACADEMIC EMER- GENCY MEDICINE 2002; 9:791–799.)
ERにおける, 非外傷性の急性視力障害の評価として, POCUSを用いるプロトコールが提唱されている.
(American Journal of Emergency Medicine 37 (2019) 1547–1553)
ERにおける非外傷性視力障害のPOCUSによる評価: ViGMO protocol
・急性の, 単眼性, 無痛性, 非外傷性の視力障害における評価
フラッシュ,飛蚊症, 視野欠損, 視力低下などが対象.
・両側性の視力障害は中枢病変を疑うべきであるし,
片側性の完全・完全に近い失明は血管障害を優先して評価(この場合はDopplerを用いるが, これは経験が必要.)(参考: http://hospitalist-gim.blogspot.com/2012/10/ischemic-optic-neuropathy.html)
・上記対象患者では主に4つの疾患を考える;
硝子体離水 - 飛蚊症を自覚することが多い
後部硝子体剥離 - 飛蚊症を自覚することが多い
網膜剥離 - 視野欠損, 光視症を自覚(視野に光が走る)
硝子体出血 - 霧視, 視力低下, 糖尿病患者で注意
・さらに, 頭痛や視力の低下を伴う患者では視神経乳頭浮腫にも注意する.
・硝子体剥離や離水は良性の病態であり, 高齢者で多く, 無症候性のことも多い. たまに飛蚊症を伴うことがある.
眼球のエコー評価ではViGMO protocolを用いる
参考 http://hospitalist-gim.blogspot.com/2012/10/optic-nerve-sheath-diameter.html
それ以外にも眼球エコーは眼球内の異常の評価に有用なことが多い.
眼内異物や硝子体剥離, 網膜剥離など.
ERを受診した眼外傷 or 急性の視力障害 61例のProspective Observational Studyでは,
・61名中, 26例が最終的に眼球内の異常と判断.
内訳は穿通性眼球損傷(3), 網膜剥離(9), CRA閉塞(1), 水晶体脱臼(2)
残りは硝子体出血, 硝子体剥離.
・眼球エコーは, 上記診断, 眼球内障害除外に対して感度96.2%[88-99], 特異度100%[94-100]で予測可能. といった報告もある.
(ACADEMIC EMER- GENCY MEDICINE 2002; 9:791–799.)
ERにおける, 非外傷性の急性視力障害の評価として, POCUSを用いるプロトコールが提唱されている.
(American Journal of Emergency Medicine 37 (2019) 1547–1553)
ERにおける非外傷性視力障害のPOCUSによる評価: ViGMO protocol
・急性の, 単眼性, 無痛性, 非外傷性の視力障害における評価
フラッシュ,飛蚊症, 視野欠損, 視力低下などが対象.
・両側性の視力障害は中枢病変を疑うべきであるし,
片側性の完全・完全に近い失明は血管障害を優先して評価(この場合はDopplerを用いるが, これは経験が必要.)(参考: http://hospitalist-gim.blogspot.com/2012/10/ischemic-optic-neuropathy.html)
・上記対象患者では主に4つの疾患を考える;
硝子体離水 - 飛蚊症を自覚することが多い
後部硝子体剥離 - 飛蚊症を自覚することが多い
網膜剥離 - 視野欠損, 光視症を自覚(視野に光が走る)
硝子体出血 - 霧視, 視力低下, 糖尿病患者で注意
・さらに, 頭痛や視力の低下を伴う患者では視神経乳頭浮腫にも注意する.
・硝子体剥離や離水は良性の病態であり, 高齢者で多く, 無症候性のことも多い. たまに飛蚊症を伴うことがある.
・網膜と硝子体に強い癒着があると, 網膜も蹄状に避ける(約10%). これも自然に改善するが, 一部で網膜剥離に移行する.
眼球のエコー評価ではViGMO protocolを用いる
・Vitreousの異常(硝子体)
high, low Gainにおける異常所見の評価
eye Movementの変化
Optic discの所見を評価.
・仰臥位~半仰臥位でLinear probeを用いて, 閉眼状態で, 眼瞼上から眼球を水平断で評価する
・エコーの設定は, 多くの機械で”ophthalmic” presetがあるが, なければ”small parts” presetで高周波を選択する
・深さは眼球+数cmの深さとし, 視神経や眼球後部が入るように.
・Gainはlow-mid rangeで開始
正常眼所見
・Side lobe Artifactが硝子体部位に認められる
硝子体離水
・Normal-low gainにおいて, 小型, 平坦, 可動性の反射する構造物.
薄い蜘蛛の巣状の構造で繋がっていることが多い.
・Gainをさらに低下させると消失し, 上昇させるとより明瞭に見える
一見硝子体出血と勘違いされることもある
・可動性が強いため, 眼球運動で移動する.
眼球運動後も動いている所見が得られる.
後部硝子体剥離
・単一の, 薄い, 滑らかな, 軽くカーブした膜として描出.
低~中等度の反射性を有する.
・硝子体は眼球前部で強く網膜と結合し, 後部ではやや弱いため, 硝子体剥離は眼球後部で生じることが多い
・通常のGainでは見にくいため, 硝子体剥離を除外するためには>80dBで評価する必要がある.
>> 網膜剥離は通常Gainでも明瞭に描出される.
・また, 硝子体は動きやすいため, 眼球運動後の揺らぎは硝子体剥離を示唆
>> 網膜剥離では可動性は低い
網膜剥離
・網膜剥離は緊急性を有する病態であるが, これはエコーで分かりやすい.
・厚く, 滑らかで, 反射性が高く, ロープ様の膜として描出される
視神経乳頭と繋がっている
・また, 網膜剥離はどの部位から生じても良いため, 水平断, 矢状断, 側方視, 上下方視など眼球全体を評価することが重要.
>> 上下方視での評価を忘れ, 見逃すことが多い
・可動性は低く, 眼球運動後も所見は動かない.
硝子体出血
・エコー所見は様々であるが, 急性の出血ではびまん性, 低エコーの雪玉状に描出される
時間が経つと, 輝度が亢進し, 網膜上に偽膜様に見え, 網膜剥離に類似した所見となりえる.
・硝子体出血による偽膜は, 厚さが様々, 歪であり,その点で厚さが一定な網膜剥離との鑑別は可能.
視神経乳頭部で繋がっている所見も鑑別に有用
・離水との鑑別点は可動性が弱い点, 通常Gainでも明瞭な点.
所見のまとめ
-------------------------------
徳洲会の時はたま〜にですが, 眼科がいない状況で, 視力障害や飛蚊症といった救急患者さんはいました.
エコーで硝子体出血を見つけて, 夜間に電話・・・ということもありましたが, 最近はあまり診療する機会がないです.
いざという時のために押さえておきたい.
high, low Gainにおける異常所見の評価
eye Movementの変化
Optic discの所見を評価.
・仰臥位~半仰臥位でLinear probeを用いて, 閉眼状態で, 眼瞼上から眼球を水平断で評価する
・エコーの設定は, 多くの機械で”ophthalmic” presetがあるが, なければ”small parts” presetで高周波を選択する
・深さは眼球+数cmの深さとし, 視神経や眼球後部が入るように.
・Gainはlow-mid rangeで開始
正常眼所見
・Side lobe Artifactが硝子体部位に認められる
硝子体離水
・Normal-low gainにおいて, 小型, 平坦, 可動性の反射する構造物.
薄い蜘蛛の巣状の構造で繋がっていることが多い.
・Gainをさらに低下させると消失し, 上昇させるとより明瞭に見える
一見硝子体出血と勘違いされることもある
・可動性が強いため, 眼球運動で移動する.
眼球運動後も動いている所見が得られる.
後部硝子体剥離
・単一の, 薄い, 滑らかな, 軽くカーブした膜として描出.
低~中等度の反射性を有する.
・硝子体は眼球前部で強く網膜と結合し, 後部ではやや弱いため, 硝子体剥離は眼球後部で生じることが多い
・通常のGainでは見にくいため, 硝子体剥離を除外するためには>80dBで評価する必要がある.
>> 網膜剥離は通常Gainでも明瞭に描出される.
・また, 硝子体は動きやすいため, 眼球運動後の揺らぎは硝子体剥離を示唆
>> 網膜剥離では可動性は低い
網膜剥離
・網膜剥離は緊急性を有する病態であるが, これはエコーで分かりやすい.
・厚く, 滑らかで, 反射性が高く, ロープ様の膜として描出される
視神経乳頭と繋がっている
・また, 網膜剥離はどの部位から生じても良いため, 水平断, 矢状断, 側方視, 上下方視など眼球全体を評価することが重要.
>> 上下方視での評価を忘れ, 見逃すことが多い
・可動性は低く, 眼球運動後も所見は動かない.
硝子体出血
・エコー所見は様々であるが, 急性の出血ではびまん性, 低エコーの雪玉状に描出される
時間が経つと, 輝度が亢進し, 網膜上に偽膜様に見え, 網膜剥離に類似した所見となりえる.
・硝子体出血による偽膜は, 厚さが様々, 歪であり,その点で厚さが一定な網膜剥離との鑑別は可能.
視神経乳頭部で繋がっている所見も鑑別に有用
・離水との鑑別点は可動性が弱い点, 通常Gainでも明瞭な点.
所見のまとめ
-------------------------------
徳洲会の時はたま〜にですが, 眼科がいない状況で, 視力障害や飛蚊症といった救急患者さんはいました.
エコーで硝子体出血を見つけて, 夜間に電話・・・ということもありましたが, 最近はあまり診療する機会がないです.
いざという時のために押さえておきたい.
2019年8月2日金曜日
PCT評価による抗菌薬投与期間短縮効果のMeta
これは飛ばそうと思いましたが, 結果が面白かったのでさらっと載せる.
(Clinical Infectious Diseases® 2019;69(3):388–96 )
血液培養陽性となった症例において, PCTを指標とした抗菌薬継続群と, 通常の管理群に割り付け, 比較したRCTのMeta.
・導入StudyとPCTのカットオフ
アウトカム
・PCTを指標とすると, 抗菌薬投与期間は2-3日短縮可能!
と思いきや, 細菌別にみると, 有意差を認めるのは肺炎球菌のみという.
たしかに肺炎球菌は, ガッと悪くなって, ガッと良くなることが多い
(悪くなったままのこともたまに.) ので, CRPよりもPCTは早く反映し, 良い指標になるのかもしれない.
でも他の細菌では・・・
(Clinical Infectious Diseases® 2019;69(3):388–96 )
血液培養陽性となった症例において, PCTを指標とした抗菌薬継続群と, 通常の管理群に割り付け, 比較したRCTのMeta.
・導入StudyとPCTのカットオフ
アウトカム
・PCTを指標とすると, 抗菌薬投与期間は2-3日短縮可能!
と思いきや, 細菌別にみると, 有意差を認めるのは肺炎球菌のみという.
たしかに肺炎球菌は, ガッと悪くなって, ガッと良くなることが多い
(悪くなったままのこともたまに.) ので, CRPよりもPCTは早く反映し, 良い指標になるのかもしれない.
でも他の細菌では・・・
早期の抗菌薬De-escalationはCDIリスクを低下させる
(Clinical Infectious Diseases® 2019;69(3):414–20)
成人例の単一の腸内細菌(GNR)菌血症で>48h入院した患者群を後ろ向きに評価したCohort study.
・抗緑膿菌作用を有するβラクタム系抗菌薬(APBL)から, 48h以内にDe-escalationを行う群と, 48hを超えて継続する群で90日以内のCDI発症リスクの関連を評価した.
APBL: PIPC/TAZ, Ceftazidime, Cefepime, Imipenem-cilastatin, Meropenem, Aztreonam
・48h以内に退院, 転院, 死亡例や1年以内のCDI既往, 24h以内のCDI発症例は除外.
2011-2015年に入院した上記患者は808例.
・このうち414例が>48h APBLを継続, 394例が≤48h継続群.
(Empirical Abxは血液培養が判明する初期48h以内に使用した薬剤
Primary definitive Abxは48h以降に最も長期間使用した薬剤)
・3ヶ月以内のAbx使用例は>48h群で有意に多い
>48h継続する傾向に関連する因子
アウトカム
・48h以内のDe-escalationは有意にCDIリスクを低下させる
・APBLの継続はESRDと同等のリスク因子.
成人例の単一の腸内細菌(GNR)菌血症で>48h入院した患者群を後ろ向きに評価したCohort study.
・抗緑膿菌作用を有するβラクタム系抗菌薬(APBL)から, 48h以内にDe-escalationを行う群と, 48hを超えて継続する群で90日以内のCDI発症リスクの関連を評価した.
APBL: PIPC/TAZ, Ceftazidime, Cefepime, Imipenem-cilastatin, Meropenem, Aztreonam
・48h以内に退院, 転院, 死亡例や1年以内のCDI既往, 24h以内のCDI発症例は除外.
2011-2015年に入院した上記患者は808例.
・このうち414例が>48h APBLを継続, 394例が≤48h継続群.
(Empirical Abxは血液培養が判明する初期48h以内に使用した薬剤
Primary definitive Abxは48h以降に最も長期間使用した薬剤)
・3ヶ月以内のAbx使用例は>48h群で有意に多い
>48h継続する傾向に関連する因子
アウトカム
・48h以内のDe-escalationは有意にCDIリスクを低下させる
・APBLの継続はESRDと同等のリスク因子.
セフェピム長期投与による好中球減少
(Clinical Infectious Diseases® 2019;69(3):534–7)
2016-2018年に在宅でCefepimeの投与を受けた患者において, 好中球減少の合併を評価.
・元々好中球減少(≤1700/µL), 薬剤中止後2wk以上持続, 21日未満の化学療法や骨髄移植歴がある患者は除外.
・Cefepimeによる好中球減少の定義は,
元々>1700/µLであった好中球が<1000/µLとなり, 中止で改善する
Cefepime投与を受けた326例のうち, 11例で好中球減少を合併
2017-2018年に生じた9例と好中球減少(-)の159例の比較
・発症率は5.3%. 発症例はすべて2wk以上の投与例
2wk以上継続例に限ると, 発症率は8.7%とそれなりに高い
・また, IVP(Intravenous push)投与例でリスク(RR 9.28[2.00-43.1])
2016-2018年に在宅でCefepimeの投与を受けた患者において, 好中球減少の合併を評価.
・元々好中球減少(≤1700/µL), 薬剤中止後2wk以上持続, 21日未満の化学療法や骨髄移植歴がある患者は除外.
・Cefepimeによる好中球減少の定義は,
元々>1700/µLであった好中球が<1000/µLとなり, 中止で改善する
Cefepime投与を受けた326例のうち, 11例で好中球減少を合併
2017-2018年に生じた9例と好中球減少(-)の159例の比較
・発症率は5.3%. 発症例はすべて2wk以上の投与例
2wk以上継続例に限ると, 発症率は8.7%とそれなりに高い
・また, IVP(Intravenous push)投与例でリスク(RR 9.28[2.00-43.1])
肺癌術後の間質性肺疾患の急性増悪
間質性肺疾患(ILD)はそれ自体が肺癌リスクにもなり,
また肺癌術後にILDの急性増悪を生じることがある.
術後にILD急性増悪を生じた場合, その死亡率は>33%と高く, 肺癌術後の死亡原因の多くを占める.
(J Thorac Cardiovasc Surg 2014;147:1604-11)
日本国内からの報告. 非小細胞癌では胃切除を行なった患者で, ILDも診断された症例を後ろ向きに解析.
・術後30日以内の急性増悪率とリスク因子を評価した.
・ILDの診断は臨床所見, 画像所見を元に施行. UIP, 非UIPパターンで分類
N=1763例を評価
術後30日以内の急性増悪は9.3%[8.0-10.8]で認められた
・肺切除術全体での評価では0.5%程度の頻度.
・64.6%が術後10日以内. 術後4日目が最も高リスク.
その後も2-3wkに渡り, 急性増悪は生じえる
・死亡率は43.9%と高い.
リスク因子: 処置, 男性例, KL-6, %VC, AE既往, UIPパターンなどがリスクとなり得る.
予防で効果が見込めるものは無し.
前述のStudyと同じグループからの報告,術後ILD急性増悪リスク因子よりスコアを作成.
(Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2015 Mar;63(3):164-72.)
・1763例のうち, 詳細なデータが評価可能な1022例抽出し, スコアを作成
リスク因子
リスクスコア
スコアと急性増悪リスク
・0-10点では低リスク(<10%)
・11-14点では中リスク(10-25%)
・15点以上は高リスク(>25%)
また肺癌術後にILDの急性増悪を生じることがある.
術後にILD急性増悪を生じた場合, その死亡率は>33%と高く, 肺癌術後の死亡原因の多くを占める.
(J Thorac Cardiovasc Surg 2014;147:1604-11)
日本国内からの報告. 非小細胞癌では胃切除を行なった患者で, ILDも診断された症例を後ろ向きに解析.
・術後30日以内の急性増悪率とリスク因子を評価した.
・ILDの診断は臨床所見, 画像所見を元に施行. UIP, 非UIPパターンで分類
N=1763例を評価
術後30日以内の急性増悪は9.3%[8.0-10.8]で認められた
・肺切除術全体での評価では0.5%程度の頻度.
・64.6%が術後10日以内. 術後4日目が最も高リスク.
その後も2-3wkに渡り, 急性増悪は生じえる
・死亡率は43.9%と高い.
リスク因子: 処置, 男性例, KL-6, %VC, AE既往, UIPパターンなどがリスクとなり得る.
予防で効果が見込めるものは無し.
前述のStudyと同じグループからの報告,術後ILD急性増悪リスク因子よりスコアを作成.
(Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2015 Mar;63(3):164-72.)
・1763例のうち, 詳細なデータが評価可能な1022例抽出し, スコアを作成
リスク因子
リスクスコア
スコアと急性増悪リスク
・0-10点では低リスク(<10%)
・11-14点では中リスク(10-25%)
・15点以上は高リスク(>25%)
2019年7月27日土曜日
造影剤による味覚障害
他院で腹部造影CTを施行したあとから, 味がなくなり, 食事が砂を噛むような感覚になった患者さんがいた. 4-5日で症状は改善傾向にある.
造影剤による味覚障害.
確かに非イオン性造影剤の添付文章では苦味を感じるなどの記載はある.
実際の頻度はどの程度なのだろうか?
IodixanolまたはIopamidolを使用した腹部造影CT検査における副作用(自覚症状や不快感など)の頻度を比較したRCT.
(Acta Radiologica 2014, Vol. 55(6) 715–724)
・Iodixanol: ビジパーク®, イオジキサノール®
Iopamidol: オイパミロン®, イオパミドール®
・不快感には熱感や冷感, 疼痛を含む. 0-10のスケールで評価し,0は無し, 1-3が軽度, 4-7が中等度, 8-10を重度と定義.
・299例で評価した.
不快感の程度: 冷感, 熱感, 疼痛が含まれる
・Iopamidolでは中等度~重度の不快感が多い.
造影剤による味覚障害.
確かに非イオン性造影剤の添付文章では苦味を感じるなどの記載はある.
実際の頻度はどの程度なのだろうか?
IodixanolまたはIopamidolを使用した腹部造影CT検査における副作用(自覚症状や不快感など)の頻度を比較したRCT.
(Acta Radiologica 2014, Vol. 55(6) 715–724)
・Iodixanol: ビジパーク®, イオジキサノール®
Iopamidol: オイパミロン®, イオパミドール®
・不快感には熱感や冷感, 疼痛を含む. 0-10のスケールで評価し,0は無し, 1-3が軽度, 4-7が中等度, 8-10を重度と定義.
・299例で評価した.
不快感の程度: 冷感, 熱感, 疼痛が含まれる
・Iopamidolでは中等度~重度の不快感が多い.
・熱感がIopamidolで多い.
他の副作用:
・多い副作用は悪心, 味覚障害(Dysgeusia), 頭痛. 4-5%程度で認められる.
Iopromideの血管内投与 132012例における副作用の解析
(Acta Radiologica 2014, Vol. 55(6) 707–714)
・Iopromide: プロスコープ®, イオプロミド®
・副作用は2.5%程度.
重大な副作用は0.01%であった
・副作用の内容は, 投与部の熱感, 悪心嘔吐, 味覚障害(Dysgeusia), 皮疹, そう痒感が多い.
------------------------------------------------
造影検査後の味覚障害はそれなりに御目にかかる可能性がある副作用と言える
添付文章では苦味ではあるが, 味覚障害自体もありそう.
また, 実はこの患者さんでは黄色症(色覚障害で, 黄色味がかかって見える)も同時期に出現し, 同様の経過で改善した経過もあり, それも造影剤の関連を疑うが,
色覚障害と造影剤の関係を報告した論文は全く見つからなかった.
誰か経験したことがある人は教えていただければ幸いです.
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