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2019年11月6日水曜日

DOACの周術期プロトコール

(JAMA Intern Med. 2019;179(11):1469-1478. )

DOACの周術期プロトコール
・DOACの半減期10-14h, ピークまでの時間1-3hを加味して決めている
・低リスク手技では半減期x3, 高リスク手技では半減期x5程度

PAUSE: 中国におけるprospective cohort. 成人例のAfで待機的手術を予定されている3007例でこのプロトコールを適応し, 30日以内の出血, 血栓症リスクを評価
・RCTにしようとしたが, Control群のプロトコール設定に適切なものがなく, Prospective cohortとなった経緯.
・除外項目:
 アピキサバン使用患者でCrCl <25mL/min
 ダビガトラン, リバロキサバン使用者でCrCl <30mL/min
 認知機能障害, 精神疾患患者
 同意が得られない患者, 他のStudyに参加している患者
 30日以内に2つ以上の手技を予定されている患者
・高リスクの手術:
 脊髄麻酔, 硬膜外麻酔, 中枢神経の手術, 胸部, 心臓, 腫瘍血管, 腹部・骨盤, 整形外科手術, 頭頸部腫瘍, 顔面・腹部・四肢の再建
・低リスクの手術: 内視鏡, ペースメーカー・ICD留置, アブレーション, 冠動脈造影, 歯牙手術, 皮膚生検, 白内障手術

母集団

アウトカム: 30日以内の出血, 血栓症リスク
Major bleeding1-2%程度
  低リスク群で1%前後
  高リスク群で~3%程度
・血栓症リスクは0.5%前後となる

双方とも実用に耐える数値であると結論付けている
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待機的手術, 処置の際のDOAC中止, 再開時期を評価した報告.

2016年のReviewより, 其々のDOACの周術期のガイダンスを参考までに
(The American Journal of Medicine (2016) 129, S47-S53)


これと比べると, ずいぶんシンプルなプロトコール. 覚えやすくて助かります.