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2019年11月9日土曜日

関節リウマチの免疫学的寛解には意味があるのか?

近年、寛解を維持できたRAにおいて, DMARDを減量、または中止するRCTが発表されている.
報告では, 中止により半数以上は再燃するが, 反対に言えば2-3割はDMARD中止後も寛解維持できるわけで, その意義はそれなりにある.

中止や減量を考慮する基準としては、
臨床的寛解が1年以上維持できているとしているものが多いが,
臨床的寛解以上の基準として, 画像/血清学的所見の寛解(Imaging/Serological remission), 免疫学的寛解(Immunological remission)を考慮したらどうかというReviewもある
(Ann Rheum Dis 2016;75:1428–1437.)

この免疫学的寛解と寛解維持を評価したCohort.
(Ann Rheum Dis 2019;78:1497–1504.)

発症2年未満のRA患者をフォローした, Leiden Early Arthritis Clinic cohortの評価
初期にACPAまたはRF陽性で,
・寛解後全てのDMARD1年以上中止し, そのまま寛解維持できた症例(平均フォロー期間4.8)
・中止後1年以上経過して再燃した症例
Controlとして寛解達成できず, DMARDを継続した において自己抗体の変化を評価した

母集団データ, 治療内容, 経過

・再燃群ではおよそDMARD中止後2-3年で再燃

アウトカム: 自己抗体の推移
・CCP2 IgG陰性化は其々13%, 8%, 6%で有意差なし(p=0.63)
・CCP2 IgM, RFの陰性化も有意差はない


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ACPA陽性, RF陽性のRAにおいて, 抗体の陰性化(Seroconversion)はDMARD中止後の寛解維持を予測する因子にはならなかった.
治療は抗体をフォローする必要性も乏しいという結果