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2019年3月22日金曜日

血小板減少+AF 抗凝固はどうする?

70歳台男性, 血液検査にて血小板 3万/µLと低値, 大球性貧血も認められた.
ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏は認められず.
骨髄検査ににてMDSに矛盾しない像が得られ, MDSと診断.

また同時に心電図検査にて慢性心房細動が認められた.
CHA2DS2-VAScスコアは3点であり, 抗凝固療法の適応となるものの, 血小板減少もあり.
どうすべきなのか?

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血小板減少は抗凝固療法における出血リスク因子となり, 主要な抗凝固療法のStudyでは血小板減少患者(5~7.5万/µL未満の症例)は除外されていることが多い.

53953例のAf患者+抗凝固, 129684pt-yのフォロー中頭蓋内出血は1196例で発症(非外傷性53.5%)
(Circ J 2019; 83: 540–547)
・年間発症率は0.92%[0.87-0.98]
・頭蓋内出血のリスク因子:
・血小板減少<10万は >15万と比較すると有意に頭蓋内出血リスクは上昇する.


血小板減少では出血リスクは上昇するものの, どの程度の血小板減少ならば抗凝固療法を行うべきで, どの程度ならば避けるべきか明確な指標はないのが現状.

62例のAf+PLT 5-10/µL患者(53-85), DOACを使用(Rivaroxaban 33.9%, Dabigatran 54.8%, Apisaban 11.3%)している症例と, 年齢・性別・CHA2DS2-VAScスコアを合わせたPLT正常患者群を比較した報告
(J Cardiovasc Pharmacol! 2018;72:153–160)
・血小板減少群における血小板数は7.8万[7.3-8.8]であり, ほぼ>5万と判断できる.
・55ヶ月(23-64)のフォローにおいて血小板減少群と正常群の出血リスクは同等
 Major bleeding 1.8% vs 2.7%/y
 Nonmajor bleeding 1.5% vs 1.1%/y
 脳梗塞とTIAリスクも同等: 1.8% vs 1.5%/y

Af+血小板減少患者におけるDOAC vs Warfarinの比較
(J Thromb Thrombolysis. 2018 Dec 18. doi: 10.1007/s11239-018-1792-1. [Epub ahead of print]
Effectiveness and safety of non-vitamin-K antagonist oral anticoagulants versus warfarin in atrial fibrillation patients with thrombocytopenia)
・台湾において2010-2017年に抗凝固療法を施行されたAf患者8239例の解析.
上記のうち血小板数正常の7872例と血小板減少367(<10)において, DOACWarfarinの出血リスク, 血栓症予防効果を比較.
血小板減少群における血小板数は7.6±2.2
・血小板正常群ではMajor bleedingDOACの方が少ない
・血小板減少群ではDOACとワーファリンで出血リスクは有意差ないが少なくなる傾向はある

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報告からは中等度の血小板減少(>5万/µL)があっても抗凝固療法は比較的安全に使用可能であり, さらにDOACの方が良い可能性がある.

<5万/µLとなるような重度血小板減少症例の報告は少数の症例報告程度であり, まとまったデータはない. 一般的に投与されていないのだろうか.

参考として, 担癌患者の血小板減少でVTE発症時の抗凝固の推奨のまとめ
・一般的に2万を切る場合は抗凝固を行わない
2-5万では輸血にて4-5万を維持しつつ治療を行う
5万以上では通常通り.

これはVTE症例の治療としての投与推奨であり,
AFにおける予防としては
・>5万/µLならば通常通り行う
・<5万/µLでは注意が必要. 
 リスクが高ければ減量して投与も考慮するが, 流石に<2万/µLとなる症例では避けるべきであろう.

という感じに押さえておくべきか.
また使用する場合, 可能ならばDOACの方が良いのかもしれない.

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