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2018年5月30日水曜日

IgG4関連疾患による大動脈病変

IgG4関連疾患では大動脈炎を認めることはよく知られている.

IgG4関連疾患160例のコホートでは36(22.5%)で大動脈病変が認められた.
(Medicine (2016) 95:28(e3344) )
・大動脈壁に炎症の首座があるPrimary,
 周辺組織に炎症があり, それが波及したSecondaryに分類すると,
 Primary13例(8%). 頸動脈閉塞, 冠動脈瘤, 胸部大動脈炎+解離, 腹部大動脈炎, 腸骨静脈炎など様々.
 Secondary23例で, ほぼ全てが大動脈周囲炎


これら症例の血液データ:
・興味深いのは炎症反応(ESRやCRP)がピンキリであること.
 Activeな炎症のこともあれば, ほぼ陰性のことも.

IgG4関連大動脈炎では大動脈瘤となることが多いが, その場合外膜の炎症が主となる
(Curr Opin Rheumatol 2011;23:18-23)
組織所見では好酸球浸潤, Lymphoid follicle形成, 閉塞性静脈炎神経周囲の炎症波及が有意に認められる.
 好中球浸潤や中膜肥厚は非IgG4の炎症性動脈瘤を示唆する所見.

大動脈解離はどうか?

IgG4関連大動脈炎による大動脈解離の報告もある
・Stanford A大動脈解離で発症し, 切除検体より証明された症例報告.
 解離していない大動脈壁厚は2.5mm, 外膜の肥厚が認められた.
 病理ではリンパ球の浸潤と線維化あり. IgG4+/IgG+形質細胞比>50%
(Immunoglobulin G Subclass 4-Related Lymphoplasmacytic Thoracic Aortitis in a Patient with Acute Type A Aortic Dissection. Ann Thorac Cardiovasc Sure 2017)

上行大動脈の拡張(>5.5cm, 解離を含む)で上行大動脈を切除し, 組織評価を行った101例のReview
(J Thorac Cardiovasc Surg 2013;146:1449-55)
・このうち解析できた91例中, IgG4染色陽性が12いずれも外膜で認められた.
有意差は認めないが, IgG4陽性例のうち大動脈解離は42%である
 一方でIgG4(-)では19%のみ. p=0.079

大動脈瘤, 解離で切除した376例のReview
(Int J Clin Exp Pathol 2013;6(9):1713-1722 )
・上行大動脈瘤が45%, 弓部瘤が2%, 下行3%, A型解離が46%, B型が4%
 このうちリンパ形質細胞の浸潤を認めたのが15.
炎症部位は外膜が主となる.
病変は大動脈瘤が9, 解離が6例と解離もなかなかに多い.
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・IgG4関連大動脈炎では, 炎症性動脈瘤, 解離, 大動脈周囲炎といったパターンがある.
 多いのは周囲炎であるが, 炎症性大動脈瘤では外膜の炎症が主
 また, 解離の原因となることも意外に多い.
・炎症反応は様々で認めないこともあり得る.
 緩徐に増悪寛解を繰り返しながら進行して, 動脈瘤や解離となることもあるということか

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