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2018年5月23日水曜日

SFTSとリケッチア症の鑑別

SFTSはもともとリケッチア症の流行地域で発見され(中国のハンセン)
色々検査したけどもリケッチアじゃなさそうで, それで発見されたウイルス感染症.

ということで症状が非常に類似しており, 鑑別が難しい.
双方とも発熱やインフルエンザ症状, 血小板減少があり, 流行地域も類似. 媒介動物も類似.

これらを比較した報告がいくつか、といっても2つ見つけたのでご紹介

SFTS 21例とツツガムシ病91例を比較し, 両者で異なる点を評価:
(Clinical Infectious Diseases® 2018;66(10):1621–4)

意識障害, 白血球減少(<4000/µL), aPTT延長(>35), CRP正常の4項目はSFTSに特異的であり 2/4項目以上を満たす場合感度100%[84-100], 特異度97%[90-99]SFTSを示唆する所見となる結果.
ただしValidationはない点に注意

日本国内で臨床的にリケッチア症を疑われた222例の血清において, SFTS virus抗体を評価した報告
(J Infect Chemother 23 (2017) 45-50)
・このうち1例でSFTSV抗体, PCR陽性であった. 山口県在住.

・この患者のデータ推移: 白血球が高度に低下しており, CRPは正常.

この論文より, 以前国内から発表された10例のSFTS症例と, リケッチア症11例を比較
・リケッチア症と比較して, SFTSはCRPが正常〜軽度の上昇程度.
 WBCが高度低下している点が特徴的と言える.

先の論文と結論は一致.
両者の鑑別のポイントはWBCCRPが重要かもしれない
(以前京都GIMで福知山から発表されたツツガムシ病のスライドも引っ張り出して確認しましたが, aPTTは記載なく, 他はWBC 4000程度, CRP上昇あり, 意識障害なしでした)