ブログ内検索

2017年11月4日土曜日

大動脈弁狭窄症では亜硝酸薬はダメか?

[Ann Emerg Med. 2015;66:355-362.] より

重症ASでは心拍出は前負荷に依存するため前負荷を軽減するような亜硝酸薬は禁忌とされる.
・遷延性の低血圧をきたすリスクがあるとされているがそれを証明した報告はまだない

カナダの2箇所の病院における後ろ向き解析
・急性心原性肺水腫で受診し, ニトログリセリンの舌下投与, 経静脈投与を行った患者群を解析.
中等症~重度のAS(+)群と(-)群で臨床的に関連のある低血圧*を評価した.
 *ニトロを中止する, 補液負荷が必要, 昇圧薬が必要な低血圧, 心停止
 また, 30分以上持続するsBP<90mmHgのリスクも評価

ASの重症度はACC/AHAガイドラインで定義
・中等度: AV area 1.0-1.5cm2, Mean gradient 25-40mmHg, Ao jet velocity 3-4m/sで定義
・重度: AV area <1.0cm2, Mean gradient >40mmHg, Ao jet velocity <2m/s

・受診から12ヶ月以内にエコーを施行していない患者は除外

母集団データ
治療内容

アウトカム

・臨床的に関連のある低血圧はAS(+), (-)群で有意差なし
sBP<90mmHgとなるのは重症ASで多い傾向がある

急性心原性肺水腫患者におけるニトロの使用で中等度~重度のAS臨床的関連のある低血圧, sBP<90mmHg30分以上持続するリスクにはならない結果.

-------------------------------
確かに急激に前負荷を軽くしてしまうと重症AS患者の心不全では低血圧となるリスクはあると思うが, ボーラス投与を避けたり, 慎重に増量, 調節すれば投与可能であると考えられる.
ちなみにミリスロールや二トロールの添付文章上はASは禁忌ではない.

0 件のコメント:

コメントを投稿