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2017年6月11日日曜日

ウェルニッケ脳症: アルコール性, 非アルコール性の比較

Mayo Clin Proc. 2017;92(6):899-907より

スペインにおける 468例のウェルニッケ脳症の解析.
・最も多いリスク因子はアルコール中毒で434(92.7%)
 (男性で>280g/wk, 女性で>170g/wkの摂取量で定義)
非アルコール性ウェルニッケ脳症34例のリスクは以下の通り
 低栄養, 吸収不良や消化管手術後, 消化管疾患, 悪性腫瘍, 妊娠悪阻が多いリスク

アルコール性, 非アルコール性ウェルニッケ脳症の比較
・症状の比較
 小脳症状や振戦は有意にアルコール性で多い.
 一方で眼症状は非アルコール性で多い.

三徴を伴う割合は両者で同等

・画像所見の比較
ウェルニッケ脳症に関する所見, 典型的な所見は大体半数程度で認められる.
 視床や乳頭体, 中脳病変は非アルコール性の方が多い
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ウェルニッケ脳症の症状や所見についてはNが多いまとまった報告も少なく,
それだけでも読む価値がある.