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2017年5月17日水曜日

変形性関節炎に対するステロイド関節注射はむしろ害かも

膝関節OAに対するステロイド注射は短期的な鎮痛作用が期待できるが, 長期的には微妙.
(JAMA 2016;316:2671-2)


有症状の膝関節OAでエコー上滑膜炎所見を認める140例を対象としたDB-RCT
(JAMA. 2017;317(19):1967-1975.)
・3ヶ月毎にトリアムシノロン(副腎ホルモン) 40mg 関節内投与群 vs 生理食塩水 関節内投与群に割付け, 2年間継続.
1回膝関節のMRIを評価し, 関節軟骨量と関節構造を評価
 また疼痛をフォローした

・患者は45歳以上でACROAクライテリアを満たし関節エコーにて滑膜炎所見, 関節液貯留を認める患者
・除外項目は罹患関節に影響を及ぼす他疾患(全身疾患, 敗血症, 骨壊死), 経口ステロイド, ドキシサイクリン, インドメタシン, グルコサミン, コンドロイチン使用, 使用歴. 関節内ヒアルロン酸, ステロイド投与歴, HIVなど

母集団

アウトカム: MRI所見
・関節軟骨の厚みはステロイド注射群で有意に菲薄化する結果.
軟骨へのダメージも多い.

アウトカム: 疼痛や関節機能, 症状の比較
・症状は両者で有意差なし.

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OAに対するステロイドの関節注射は短期的な疼痛の改善効果はあるのかもしれないが, 長期的には効果ない.
それどころか, 関節軟骨が薄くなる可能性も示唆された.