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2013年11月11日月曜日

Monoclonal Gammopathyによる糸球体腎炎を覚えておこう

Mayo Clin Proc. 2013;88(11):1284-1293
Monoclonal Gammopathyは, それを合成するB cellもしくは形質細胞のClonalな増殖による
 B cellの増殖がリンパ腫/リンパ球性白血病であり, 形質細胞の増殖が多発性骨髄腫, MGUS.

Monocloanl Gammopahtyによる糸球体腎炎の機序は2つ
 ① Immunoglobulinの増加により補体のClassical pathwayが活性化し, Ig-C3複合体を形成し, 糸球体に沈着する機序.
 ② 補体のAlternative pathway, Terminal pathwayの活性化により, Igと結合していない補体(C3)が沈着する機序(C3 glomerulopathy)


①の機序による糸球体腎炎
 IgGの沈着[B]と, C3の沈着[C]を認め, さらにκ鎖陽性[D]でλ鎖が陰性[E]とMonoclonal IgGを示唆する.

②の機序による糸球体腎炎
 C3の沈着のみで, Igの沈着が認められない.

増殖性糸球体腎炎症例において, SLEとHBC, HCVを除いた61例中, 28例(46%)でM蛋白が検出
 28例中20例(71%)がmonoclonal immunoglobulinの糸球体への沈着(+). IgはIgG, IgMが大半で, 1例のみIgAであった.
 補体はC3,4共に低値.
 基礎疾患は, MGUSが57%と最多で, CLL,  lymphoplasmacytic lymphoma/Waldernstrom macroglobulinemia, Low-grate B cell lymphoma, MM

Igの沈着が無いC3 glomerulopathyもあるため,
 明らかな原因のない補体低下を伴う糸球体腎炎ではM蛋白のチェックも必須. 
 組織でIgの沈着がなくとも可能性は否定はできないことに注意.
 M蛋白陽性ならばMM or リンパ腫かを判断し, 必要な治療を行うことが予後に繋がる.


原因が多発性骨髄腫であれば治療適応となり, Bortezomibを含めたレジメを, リンパ腫や他疾患ならばそれにあわせた治療が推奨される.

まとめると,
 自己免疫疾患やHBV, HCV, 感染症による糸球体腎炎が否定的な場合,
 組織においてMonoclonalなIgの沈着の有無 or C3 glomerulopathyを評価.

 上記に引っかかるならば血中のM蛋白をチェックし, 陽性ならばMMとして治療を開始.
 もしくは, 腎組織でMonoclonal Igの沈着が証明されているが, 血中のM蛋白が陰性ならばリンパ腫等をチェックし, 治療へ繋げるという流れ.