Current Opinion in Pulmonary Medicine 2006, 12:273–277
血気胸は特発性気胸の1-12%で合併する
男性例で多く, 男女比は8-30 : 1
特発性血気胸は稀な疾患であるが, 出血量は大量, 持続出血となることが多く, 血行動態不安定リスクが高い病態. 外科的処置を必要とする.
特発性血気胸の80-100%は初発の特発性気胸に血胸が合併, 10-12%は再発性気胸に合併, 10%が初発気胸と反対側の気胸に合併する.
臓側, 壁側強膜間の癒着や同部位に先天性の異常血管があり, 気胸発症時に血管損傷を生じると考えられる.
Bullaの周囲に多数の血管があり, 癒着を生じている.
外科治療にて53%程度出血源が特定される.
特発性血気胸の場合, 70%は来院時に既に血胸あり.
残りは少量の血液のみで, 徐々に増加する経過. また, 初診時は気胸のみだが, 後々に出現する例も10%程度であるが, それは胸腔ドレーン挿入による出血の機序が考えられる
SHPの13-46%が出血性ショックを来たす
輸血を必要とする例は64-100%
Caseシリーズでは,
特発性気胸の2-6.6%で血気胸を合併.
出血量(ドレナージ量)は594-1242mlと多く, 経過観察で加療したのは0-22%程度と, 外科処置となる例が多い.
また, 急性期で手術治療とならなくても,
持続性の出血や凝血塊による肺拡張障害で手術が必要となる例も多い.
韓国のSanbon Medical Centerの12年間において, 983例の特発性気胸の内, 17名(1.7%)が血気胸.
Ann Thorac Cardiovasc Surg 2008; 14: 149–153
平均出血量は1308ml[450-2900]であった.
---------------------------------若い男性の特発性気胸において, 胸水貯留を認めた場合は大量出血となるリスクが非常に高いため, 早期に輸血の手配, 外科コンサルト, 外科的治療を考慮する必要があり, 要注意.