(Medicine (Baltimore). 2022 Aug 12;101(32):e29909.)
北京大学第一病院において, 1995-2019年に診療された726例の薬剤性肝障害患者をReview
・肝障害出現前に疑わしい薬剤投与歴があり, CIOMSの基準を満たし, RUCAM score >3で定義.
・他の原因が考えられる症例(ウイルスや腫瘍, アルコール, AIHなど)は除外.
・このうち, 中国漢方薬によるものが353例(48.6%) 西洋薬によるものが225例(40.0%)
残りは併用など.
西洋薬と漢方によるDILIの比較
・漢方によるものは, 女性例が多く,
開始〜発症までがやや長い (およそ1週間程度遅い)
肝細胞障害型が多く, 肝障害の程度も高度となる
ANA陽性率も高い.
・内服開始〜発症までの期間.
西洋薬では開始後1wk~2wkでピークとなるが,
漢方では2-3wkでピークとなる.
また, 2-3ヶ月経過してから発症するのは西洋薬も漢方も同じ.
漢方で原因が特定できたもので頻度が高いもの
漢方薬 | 漢方名 | ||
Polygonum multiflorum | ツルドクダミ | 何首烏 | 38例 |
Psoraleae | オランダビユ | 破胡紙 | 35例 |
Epimedium | イカリソウ | 淫羊藿 | 26例 |
Bupleurum | ミシマサイコ | 柴胡 | 22例 |
Rhubarb | ルバーブ | 大黄 | 21例 |
Cortex Dictamni | ハクセンピ | 白鮮皮 | 13例 |
Rhizoma Corydalis | エンゴサク | 延胡索 | 13例 |
Rhizoma Smilacis Glabrae | ドブクリョウ | 土茯苓 | 12例 |