若い女性における鉄欠乏性貧血の主な原因は月経によるもの.
鉄剤補充で反応することが多いが, 過多月経では鉄剤を使用しても鉄補充が追いつかないことがある.
最近もそのような症例がありました.
そういう時にはどうするか?
(当然婦人科診察し、治療可能な病変がないかどうかはチェックします)
月経出血過多(Heavy menstrual bleeding:HMB)は1回の月経で80ml以上の出血を伴う場合で定義される
・HMBは女性のQOLを低下させ, またIDA治療失敗のリスクにもなる
HMBにはトラネキサム酸が有用.
(International Journal of Women’s Health 2012:4 413–421)
・HMBに対するトラネキサム酸は出血量の減少やQOLの改善効果が期待できる.
・小規模Studyが多いが, 1.5-4.5g/dを月経開始から4-7日間使用することで月経時の出血を26-60%低下させることが可能.
・プラセボやNSAID, 他薬剤と比較して有意に減少効果が認められる
・QOL改善効果もあり.
・国内の投与量は750-2000mg/dであり, 最大投与量を4-5日継続する.
最近の報告では, 経口避妊薬と同程度の出血量減少効果, QOL改善が認められる
トラネキサム酸と経口避妊薬の効果を比較した小規模(n=17), cross-over RCTでは, 出血量, QOLの改善効果は両者で同等であった.
(J Pediatr Adolesc Gynecol 28 (2015) 254-257)
奥の手として覚えておくとよいことがあるかもしれません.
特に専門は絞っていない内科医のブログ *医学情報のブログです. 個別の相談には応じられません. 現在コメントの返事がうまくかけませんのでコメントを閉じています. コメントがあればFBページでお願いします
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2016年7月15日金曜日
2016年7月14日木曜日
化学療法による嘔吐にはオランザピン併用が有効
化学療法による嘔吐症
(N Engl J Med 2016;374:1356-67.)
化学療法に伴う嘔吐症は5つのタイプに分類される.
・発症の時期で分類される.
ドパミン, セロトニン, Substance Pなどの神経伝導物質が発症に関与.
嘔吐誘発の機序とそれに対する薬剤の作用部位
嘔吐誘発のリスク別の予防薬の推奨
・これより, 高リスク群やAC(anthracycline+シクロホスファミド)を使用する患者では, 5-HT3受容体阻害薬, デキサメサゾン, アプレピタント(イメンド®)もしくはホサプレピタント(プロイメンド®)を併用すべきである.
今回, 上記3剤に加えてオランザピンを併用することで, さらに嘔吐を抑制可能という報告がでた.
過去に化学療法の施行歴がなく, シスプラチン ≥70mg/m2もしくはシクロホスファミド 600mg/m2 +ドキソルビシン 60mg/m2を使用する化学療法を予定している患者 380例を対象としたDB-RCT. (N Engl J Med 2016;375:134-42.)
・デキサメサゾン + アプレピタント/ホサプレピタント + 5-HT3受容体阻害薬に加えて, オランザピン 10mg/d vs Placebo群に割り付け, 4日間継続
・嘔吐/悪心の頻度を比較した.
・患者はECOG 0-2で, Cr≤2.0mg/dL, AST,ALT≤3ULN, Neu≥1500/µL, 重度の認知機能障害(-), 中枢神経疾患(-), 他の抗精神病薬の使用(-), 不整脈やコントロール不良のCHF既往(-)などを満たす群
母集団データ
アウトカム
・化学療法後~120時間における悪心(-)は有意にオランザピン併用群で多い結果
120hにおけるNNTは6.5
嘔吐(-), レスキュー(-)群も有意にオランザピン群で多い
・120hにおけるNNTは4.3
(N Engl J Med 2016;374:1356-67.)
化学療法に伴う嘔吐症は5つのタイプに分類される.
・発症の時期で分類される.
ドパミン, セロトニン, Substance Pなどの神経伝導物質が発症に関与.
嘔吐誘発の機序とそれに対する薬剤の作用部位
嘔吐誘発のリスク別の予防薬の推奨
・これより, 高リスク群やAC(anthracycline+シクロホスファミド)を使用する患者では, 5-HT3受容体阻害薬, デキサメサゾン, アプレピタント(イメンド®)もしくはホサプレピタント(プロイメンド®)を併用すべきである.
今回, 上記3剤に加えてオランザピンを併用することで, さらに嘔吐を抑制可能という報告がでた.
過去に化学療法の施行歴がなく, シスプラチン ≥70mg/m2もしくはシクロホスファミド 600mg/m2 +ドキソルビシン 60mg/m2を使用する化学療法を予定している患者 380例を対象としたDB-RCT. (N Engl J Med 2016;375:134-42.)
・デキサメサゾン + アプレピタント/ホサプレピタント + 5-HT3受容体阻害薬に加えて, オランザピン 10mg/d vs Placebo群に割り付け, 4日間継続
・嘔吐/悪心の頻度を比較した.
・患者はECOG 0-2で, Cr≤2.0mg/dL, AST,ALT≤3ULN, Neu≥1500/µL, 重度の認知機能障害(-), 中枢神経疾患(-), 他の抗精神病薬の使用(-), 不整脈やコントロール不良のCHF既往(-)などを満たす群
母集団データ
アウトカム
・化学療法後~120時間における悪心(-)は有意にオランザピン併用群で多い結果
120hにおけるNNTは6.5
嘔吐(-), レスキュー(-)群も有意にオランザピン群で多い
・120hにおけるNNTは4.3
2016年7月12日火曜日
高感度トロポニンのフォローで心筋梗塞を評価する
循環器科が常に24時間常在している病院ならばあまり困ることはないかもしれませんが,
そうではない環境では, 夜間の心筋梗塞疑い症例の扱いに困ることもあるかと思う.
明らかにST上昇があるSTEMIで, CK-MBも上昇していて・・・ということならば困ることなくすぐにオンコールを呼ぶか, 転院を考慮しますが, 問題はnon-STEMIで, CPKの上昇もなく, 他の心電図もあまり有意な所見もなく...
そして頼りのトロポニン値が正常〜ごく軽度の上昇程度の場合. これは困る.
そのような時に1時間、2時間、3時間後のトロポニン値を評価する方法が有用かもしれない.
-----------------
トロポニンにはC, T, Iの3種類認められる.
・Troponin Cは心筋, 骨格筋で同一. TとIは心筋と骨格筋で異なり, 心筋特異性Trop T, Iは心筋梗塞の診断に有用.
・心筋梗塞早期ではTroponin Iのほうがより高感度, 数日〜7日ではTroponin Tの方が高感度と言われている.
・また, Trop Tは溶血でも上昇する可能性がある.
トロポニンはその時のみ評価ではなく, 1時間後, 2時間後の変動をみることで, non-STEMIのルールイン/アウトに有用というデータが幾つかある
(国内で可能な検査は高感度トロポニンTであり, ここではTrop Tのデータを載せる)
高感度Trop Tの経時的フォローによるnon-STEMIの評価
胸痛でERを受診した872例を対象とし, 0hと1h後の高感度Trop Tを評価したprospective study. (Arch Intern Med. 2012;172(16):1211-1218.)
・436例でderivationを行い, ルールイン/アウト アルゴリズムを作成
・さらに436例でvalidationを施行.
・STEMIや透析患者は除外.
母集団
来院時のTrop T値の分布
ルールイン/アウトの基準と感度, 特異度
*国内の単位はng/mLであり, 上記数値 x 1/1000となる. 正常上限値は0.014ng/mL
発症6時間未満のACSを疑うER受診患者1282例を対象とし, 来院時, 1h, 2h, 4h, 14hで高感度心臓トロポニンT(hs-cTnT)を評価した前向きStudy. [Ann Emerg Med. 2016;68:76-87.]
そうではない環境では, 夜間の心筋梗塞疑い症例の扱いに困ることもあるかと思う.
明らかにST上昇があるSTEMIで, CK-MBも上昇していて・・・ということならば困ることなくすぐにオンコールを呼ぶか, 転院を考慮しますが, 問題はnon-STEMIで, CPKの上昇もなく, 他の心電図もあまり有意な所見もなく...
そして頼りのトロポニン値が正常〜ごく軽度の上昇程度の場合. これは困る.
そのような時に1時間、2時間、3時間後のトロポニン値を評価する方法が有用かもしれない.
-----------------
トロポニンにはC, T, Iの3種類認められる.
・Troponin Cは心筋, 骨格筋で同一. TとIは心筋と骨格筋で異なり, 心筋特異性Trop T, Iは心筋梗塞の診断に有用.
・心筋梗塞早期ではTroponin Iのほうがより高感度, 数日〜7日ではTroponin Tの方が高感度と言われている.
・また, Trop Tは溶血でも上昇する可能性がある.
トロポニンはその時のみ評価ではなく, 1時間後, 2時間後の変動をみることで, non-STEMIのルールイン/アウトに有用というデータが幾つかある
(国内で可能な検査は高感度トロポニンTであり, ここではTrop Tのデータを載せる)
高感度Trop Tの経時的フォローによるnon-STEMIの評価
胸痛でERを受診した872例を対象とし, 0hと1h後の高感度Trop Tを評価したprospective study. (Arch Intern Med. 2012;172(16):1211-1218.)
・436例でderivationを行い, ルールイン/アウト アルゴリズムを作成
・さらに436例でvalidationを施行.
・STEMIや透析患者は除外.
母集団
来院時のTrop T値の分布
ルールイン/アウトの基準と感度, 特異度
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|
基準
|
Derivation
|
Validation
|
|
ルールアウト
|
0h値 <12ng/L
且つ 1h値Δ<3ng/L |
感度 100%
NPV 100% |
感度 100%
NPV 100% |
|
判定保留
|
上下以外
|
|
AMIは8%
|
|
ルールイン
|
0h ≥52ng/L
もしくは1h値Δ≥5ng/L |
特異度 92%
PPV 69% |
特異度 97%
PPV 84% |
ERでAMIを疑われた患者群を対象とし, 0h, 2h後の高感度Trop TをフォローしたProspective study (The American Journal of Medicine (2015) 128, 369-379 )
・STEMIは除外.
・1148例でDerivationを施行し, 517例でValidationを施行.
Derivation cohortの結果よりルールイン/アウトのためのアルゴリズムを作成.
|
|
基準
|
Derivation
|
Validation
|
|
ルールアウト
|
0h, 2hでのTrop T<14ng/L
且つΔ<4 |
感度 99.5%
NPV: 99.9% |
感度 96%
NPV 99.5% |
|
判定保留
|
上下以外
|
AMIは15%
|
AMIは15%
|
|
ルールイン
|
0h, 2hでのTrop T≥53
もしくはΔ≥10 |
特異度 96%
PPV 78% |
特異度 99%
PPV 85% |
AMIが疑われる306例を対象とし, 0h, 3hにおける高感度Trop Tを評価したprospective cohort (JAMDA 14 (2013) 409-416 )
・306例中NSTEMIは38例(12%)
・0hと3hにおけるTrop Tの値, 変動値のカットオフと感度, 特異度
ルールイン/アウト アリゴリズム
|
|
基準
|
Derivation
|
Validation
|
|
ルールアウト
|
0h値 <23ng/L
且つ 3hΔ<3ng/L |
感度 100%
NPV: 100% |
感度 100%
NPV: 100% |
|
判定保留
|
上下以外
|
|
AMIは1%
|
|
ルールイン
|
0h ≥108ng/L
もしくは3hΔ≥7ng/L |
特異度 86%
PPV 41% |
特異度 88%
PPV 54% |
・前もって決めていたカットオフは,
hs-cTnTが<12ng/L 且つ 1h後の変動が<3ng/Lならばルールアウト
hs-cTnTが≥52ng/L または 1h後の変動が≥5ng/Lならばルールイン
それ以外は経過観察とした.
・最終的にACSと診断されたのは16.6%.
hs-cTnTの判断基準において,
ルールアウトされたのが63.4%. NPV 99.1%[98.2-99.7], Sn 96.7%[93.4-98.7]
ルールインされたのが14.4%. PPV 77.2%[70.4-83.0], Sp 96.1%[94.7-97.2]
経過観察群が22.2%. このうちACSは22.5%であった
------------------
------------------
AMIかどうか迷う症例: 胸痛でERを受診したものの, ECG変化が乏しく, トロポニンも正常〜軽度上昇程度, エコーでも明らかな壁運動低下がない症例など.
でも否定しきれないという患者では, その後1~3hで再度トロポニン評価するとよい.
上記ルールアウト基準を満たせば, NPVは90%後半であり, 否定しやすい.
一方で判定保留ではnon-STEMIである可能性は1-20%程度あり, 要注意
ルールイン基準を満たした場合, non-STEMIの可能性は50%以上.
迷う症例ではフォローすることが重要といえる.
SLE患者で予防的ST合剤と開始する際は緩徐増量する方が良い
ST合剤は長期間の免疫抑制剤を使用する患者やHIV患者におけるカリニ肺炎予防として重要な薬剤. 一方で副作用は多く, 予防的投与を行う際は緩徐に増量した方がうまくいきやすい
ST合剤を参照
SLE患者では特にST合剤による副作用の出現頻度が高いと言われている.
そこで, 59例のSLE患者でST合剤の予防的内服を行っている患者群を後ろ向きに解析し, 徐々に増量して開始した群と, 通常投与群で副作用頻度を比較した.
(Mod Rheumatol. 2016 Jul;26(4):557-61.)
・増量群では, ST合剤以下のレジメで投与
1日目: 2mg/0.4mg (1/200)
2日目: 4mg/0.8mg (1/100)
3日目: 8mg/1.6mg (1/50)
4日目: 16mg/3.2mg (1/25)
5日目: 40/8mg (1/10)
6日目: 80/16mg (1/5)
7日目: 160/32mg (1/2.5)
8日目: 320/64mg (1/1.25)
9日目: 400/80mg (1T)
母集団データ
副作用の出現頻度は有意に増量群で低い結果.
・皮疹, 発熱, 肝障害, 呼吸苦, 副作用による入院リスクが緩徐増量群で低い結果.
また, SLEにおけるST合剤の副作用はSS-A抗体陽性例で特にリスクが高い
2016年7月7日木曜日
ループ利尿薬の効果を評価する指標
ループ利尿薬を使用する主な目的はNaを排泄させること.
しかしながら大体尿量や体重減少, 浮腫を指標として調節することが多い.
そんな中, ループ利尿薬投与後のスポット尿のNa濃度, Cr濃度から,
利尿薬によるNa排泄量を予測する計算式が提唱された.
Rapid and Highly Accurate Prediction of Poor Loop Diuretic Natriuretic Response in Patients With Heart Failure
(Circ Heart Fail. 2016;9:e002370. DOI: 10.1161/CIRCHEARTFAILURE.115.002370.)
ループ利尿薬の薬物動態と, 生体の反応, 生理学よりループ利尿薬投与後のNa排泄量を予測する計算式を作成
・その計算式を, 急性心不全症例50例で適応し, 実際のNa排泄量との相関性を評価した.
しかしながら大体尿量や体重減少, 浮腫を指標として調節することが多い.
そんな中, ループ利尿薬投与後のスポット尿のNa濃度, Cr濃度から,
利尿薬によるNa排泄量を予測する計算式が提唱された.
Rapid and Highly Accurate Prediction of Poor Loop Diuretic Natriuretic Response in Patients With Heart Failure
(Circ Heart Fail. 2016;9:e002370. DOI: 10.1161/CIRCHEARTFAILURE.115.002370.)
ループ利尿薬の薬物動態と, 生体の反応, 生理学よりループ利尿薬投与後のNa排泄量を予測する計算式を作成
・その計算式を, 急性心不全症例50例で適応し, 実際のNa排泄量との相関性を評価した.
・尿中Na, Cr値は利尿薬投与後に採取した尿で評価.
・2.5時間は利尿薬が投与され, 効果が持続する時間が2.5h程度であるため
Bumetanideの半減期は1時間程度であり, その2倍.
・予測Na排泄量, 尿量は投与後6時間での排泄量.
・計算は以下のHPで施行可能.・2.5時間は利尿薬が投与され, 効果が持続する時間が2.5h程度であるため
Bumetanideの半減期は1時間程度であり, その2倍.
・予測Na排泄量, 尿量は投与後6時間での排泄量.
この計算式を50例の急性心不全症例においてValidationを施行.
・膀胱内を空にした後に利尿薬(bumetanide)経静脈投与を行い, 6時間蓄尿を行う.
・また, 1時間後, 2時間後にはスポット尿を採取し, 予測式計算に使用.
アウトカム: 実測のNa排泄量と予測計算式との相関性は良好
・1時間, 2時間でのスポット尿双方とも相関性は良い.
・看護師の勤務帯毎の水分バランスや, 24時間水分バランス, 体重変化よりも計算式の方が相関性は良い結果であった.
Na排泄量別, 尿量別の各指標の相関性
・利尿薬反応不良群(<50mEq)との相関性も計算式は良好.
利尿薬反応性不良は6時間のNa排泄量<50mEqで定義
・これは1日2回投与しても, 100mEq以下の排泄量となるため.
・Na摂取量は3g = 130mEqであり, この量ではNaが蓄積する.
Bumetanide投与後のスポット尿の評価時間別の計算式-実測量の相関性
・もっとも相関性が良いのは3~3.5時間あたり
よくループ利尿薬投与後の反応性は「薄い尿がでているのでいいね」「結構尿がでたのでいいね」とか言っているが, スポット尿のNa濃度をチェックしつつ, ループ利尿薬の投与量を調節する方法は良いかもしれない.
Bumetanideではなくフロセミドを使用する場合は2.5時間ではなく3時間程度とすべきかもしれないがフロセミドの場合, IVと経口投与で吸収率が大きく異なることが予測されるため, そのまま経口には移行できない.
厳密にループ利尿薬の投与量, 効果を評価し, 今後のマネージメントにつなげるならばBumetanideなど吸収率が良好なループ利尿薬を使用する方が良いかも.
軽症脳梗塞, TIAの二次予防としてのチカグレロル(ブリリンタ®)
新しい抗血小板薬であるチカグレロル(ブリリンタ錠®)がもうそろそろ承認されるかもしれません. そんななか, NEJMよりSOCRATES trialが発表されました.
(N Engl J Med 2016;375:35-43.)
SOCRATES trial: t-PA治療の適応とならない, 心原性梗塞以外の軽症脳梗塞とTIA症例 13199例を対象としたDB-RCT.
・発症24時間以内にTicagrelor群 vs Aspirin群に割り付け, 90日間継続し, 再発リスクを比較した.
Ticagrelorは初回180mg, 以後90mg bid
Aspirinは初回300mg, 以後100mg/d
・軽症脳梗塞はNIHSS ≤5で定義
TIAはABCD2スコア ≥4を満たす群. また症候性の頭蓋内, 頭蓋外血管狭窄も含まれる.
母集団データ
アウトカム
・脳卒中, MI, 死亡全体では, Ticagrelor群で低下傾向にあるが有意差なし
・脳梗塞は有意にTicagrelor群でリスク低下(NNT 143)
・Major bleedingは両者で有意差なし
(N Engl J Med 2016;375:35-43.)
SOCRATES trial: t-PA治療の適応とならない, 心原性梗塞以外の軽症脳梗塞とTIA症例 13199例を対象としたDB-RCT.
・発症24時間以内にTicagrelor群 vs Aspirin群に割り付け, 90日間継続し, 再発リスクを比較した.
Ticagrelorは初回180mg, 以後90mg bid
Aspirinは初回300mg, 以後100mg/d
・軽症脳梗塞はNIHSS ≤5で定義
TIAはABCD2スコア ≥4を満たす群. また症候性の頭蓋内, 頭蓋外血管狭窄も含まれる.
母集団データ
アウトカム
・脳卒中, MI, 死亡全体では, Ticagrelor群で低下傾向にあるが有意差なし
・脳梗塞は有意にTicagrelor群でリスク低下(NNT 143)
・Major bleedingは両者で有意差なし
Sub解析では, >75歳ではTicagrelorの利点はあまりないかもしれない.
2016年7月6日水曜日
スタチンによる筋性間欠性跛行?
症例: 80代女性. 両下肢の重だるい感じ.
高脂血症でスタチンを使用中の女性. それ以外に既往はなく, 喫煙歴もなし.
心血管系疾患の家族歴があり, スタチンを数年前に導入された.
数カ月前より歩行時に両下肢が重だるい, 痛む感じがあり, 長時間歩行できなくなった.
大体20-30分程度歩行すると出現する. 休み休みならば問題無し.
疼痛部位は両側大腿前面, 下腿が同時に痛み始める.
四肢のしびれはない.
間欠性跛行と判断され, ABIや脊柱の評価をされたが異常は認められず, 紹介.
-------------
間欠性跛行は主に血管性(末梢動脈疾患)と神経性(脊柱管狭窄症)がある(参考: 間欠性跛行の鑑別)
スタチンによる筋症状の特徴は以下の通り.
・筋症は体どの部位でも生じて良いが, 最も多いのは下肢(大腿と下腿)
・疼痛は重い感じ, こわばり, こむら返りとして自覚することが多く, 稀ながら脱力もある.
・また運動時に自覚/増悪することが多いため, 身体活動も低下する.
・投薬開始から1ヶ月後に出現することが多いが6-12ヶ月と幅がある
・また投薬中断後2ヶ月間は持続する可能性がある
(Med Clin N Am 98 (2014) 429–444)
症状はスタチンによる筋痛として矛盾はしません.
このように, スタチンによる筋症状を間欠性跛行と捉えることはあるのかどうか?
VigiBaseにおいて, スタチン(Simvastatin)とEzetimibeの単剤/併用中に脊柱管狭窄症を診断された症例を抽出
・VigiBaseはWHOによる医薬品の副作用データを各国から収集したデータベース.
・これより, 両者薬剤を使用中に脊柱管狭窄症を報告されたのは12例.
6例が併用, 5例がSimvastatinのみ, 1例がEzetimibeのみ.
・これら報告の大半が偶発的な発見であったり, 薬剤への関連は不明瞭.
しかしながら3例は有意な投薬と症状の関連性が認められた.
3例とも投薬の中止と共に症状が改善している.
2/3はCPKが正常範囲であった.
(International Journal of Risk & Safety in Medicine 24 (2012) 215–219)
ということで報告例は少ないですがありそうです.
あまり認知されておらず, 実はスタチンによる”筋性間欠性跛行”(と呼んで良いのかどうかわかりませんが)の症例を, 軽度の脊椎症やABI低下あればそれで診断してしまっていることもあるかもしれません.
特に末梢血管障害がある患者ではスタチンは高率で使用しているでしょう.
ちなみに, CPK上昇がなくても筋症はあります.
83名の外側広筋を生検(CMAJ 2009;181:E11-8)
・Current Statin Userの9.5%, Past Statin Userの9.0%で筋組織の障害を認めた.
・筋組織の障害はCPK低値, 正常でも認めており,CPK値は筋組織障害を反映しない可能性を示唆.
また, スタチン中止〜症状改善までの期間を評価したStudyでは,
69例のMild statin myopathyで原因薬剤を中止しフォロー.
・平均年齢 62.1±11.7歳, 男性71%
・スタチン使用期間は29.6±33.1ヶ月.
・フォローアップ期間は18.2±19.1ヶ月.
・症状は筋痛 91.3%, 倦怠感 68.1%, 筋力低下 68.1%.
・所見で筋力低下が認められたのは26.1%
CPK 789.9±988.0, CPK正常は24.6%, CPK上昇は75.4%. CPK>1000は23.2%
中止後の症状, 所見の改善
改善例と不変例の比較では, CPKの値, 脱力の有無で有意差無し
( J Clin Neuromusc Dis 2013;14:103–109)
中止後3ヶ月でも6割しか改善がない.
少なくとも半年は止めておきたいところ.
高脂血症でスタチンを使用中の女性. それ以外に既往はなく, 喫煙歴もなし.
心血管系疾患の家族歴があり, スタチンを数年前に導入された.
数カ月前より歩行時に両下肢が重だるい, 痛む感じがあり, 長時間歩行できなくなった.
大体20-30分程度歩行すると出現する. 休み休みならば問題無し.
疼痛部位は両側大腿前面, 下腿が同時に痛み始める.
四肢のしびれはない.
間欠性跛行と判断され, ABIや脊柱の評価をされたが異常は認められず, 紹介.
-------------
間欠性跛行は主に血管性(末梢動脈疾患)と神経性(脊柱管狭窄症)がある(参考: 間欠性跛行の鑑別)
スタチンによる筋症状の特徴は以下の通り.
・筋症は体どの部位でも生じて良いが, 最も多いのは下肢(大腿と下腿)
・疼痛は重い感じ, こわばり, こむら返りとして自覚することが多く, 稀ながら脱力もある.
・また運動時に自覚/増悪することが多いため, 身体活動も低下する.
・投薬開始から1ヶ月後に出現することが多いが6-12ヶ月と幅がある
・また投薬中断後2ヶ月間は持続する可能性がある
(Med Clin N Am 98 (2014) 429–444)
症状はスタチンによる筋痛として矛盾はしません.
このように, スタチンによる筋症状を間欠性跛行と捉えることはあるのかどうか?
VigiBaseにおいて, スタチン(Simvastatin)とEzetimibeの単剤/併用中に脊柱管狭窄症を診断された症例を抽出
・VigiBaseはWHOによる医薬品の副作用データを各国から収集したデータベース.
・これより, 両者薬剤を使用中に脊柱管狭窄症を報告されたのは12例.
6例が併用, 5例がSimvastatinのみ, 1例がEzetimibeのみ.
・これら報告の大半が偶発的な発見であったり, 薬剤への関連は不明瞭.
しかしながら3例は有意な投薬と症状の関連性が認められた.
3例とも投薬の中止と共に症状が改善している.
2/3はCPKが正常範囲であった.
(International Journal of Risk & Safety in Medicine 24 (2012) 215–219)
ということで報告例は少ないですがありそうです.
あまり認知されておらず, 実はスタチンによる”筋性間欠性跛行”(と呼んで良いのかどうかわかりませんが)の症例を, 軽度の脊椎症やABI低下あればそれで診断してしまっていることもあるかもしれません.
特に末梢血管障害がある患者ではスタチンは高率で使用しているでしょう.
ちなみに, CPK上昇がなくても筋症はあります.
83名の外側広筋を生検(CMAJ 2009;181:E11-8)
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健康男性
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10名
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Age-matched control
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10名
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臨床的Statin-associated myopathy(+), Statinは>3wk前に中止
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15名
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臨床的Statin-associated myopathyの既往(+), Statin内服中
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29名
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4-20年間, Statin内服中の患者
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19名
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・筋組織の障害はCPK低値, 正常でも認めており,CPK値は筋組織障害を反映しない可能性を示唆.
また, スタチン中止〜症状改善までの期間を評価したStudyでは,
69例のMild statin myopathyで原因薬剤を中止しフォロー.
・平均年齢 62.1±11.7歳, 男性71%
・スタチン使用期間は29.6±33.1ヶ月.
・フォローアップ期間は18.2±19.1ヶ月.
・症状は筋痛 91.3%, 倦怠感 68.1%, 筋力低下 68.1%.
・所見で筋力低下が認められたのは26.1%
CPK 789.9±988.0, CPK正常は24.6%, CPK上昇は75.4%. CPK>1000は23.2%
中止後の症状, 所見の改善
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アウトカム
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%
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症状不変
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14.5%
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症状軽快
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13.0%
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症状消失
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72.5%
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1M以内
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24.0%
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3M以内
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62.0%
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6M以内
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90.0%
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1y以内
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96.0%
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3y以内
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98.0%
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5y以内
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100%
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( J Clin Neuromusc Dis 2013;14:103–109)
中止後3ヶ月でも6割しか改善がない.
少なくとも半年は止めておきたいところ.
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