Cardiac syndrome X
Microvascular angina
特に専門は絞っていない内科医のブログ *医学情報のブログです. 個別の相談には応じられません. 現在コメントの返事がうまくかけませんのでコメントを閉じています. コメントがあればFBページでお願いします
ブログ内検索
2013年12月10日火曜日
2013年12月9日月曜日
全身性硬化症(強皮症)と心臓障害
(症例; ちょっとだけフィクションあり)
Diffuseタイプの全身性硬化症 SScと診断された70台の女性. 他に既往は無し.
1週間前より徐々に下肢の浮腫が出現し, 臥位時呼吸苦が増悪したために来院.
ECGにてV2-4のAbnormal Q波、陰性T波が認められ, エコーではDiffuse Hypokinesia, EF 30%と心筋梗塞(Recent MI)に伴う心不全との診断で入院. 冠動脈造影を行った.
冠動脈造影では, 冠動脈に狭窄無し. 他に明らかな異常は認められず.
心不全治療中に徐々に腎機能が増悪し, 転科となった.
腎機能は最終的にCre8台, 無尿となり, 透析導入. 腎生検の結果強皮症腎クリーゼに矛盾しない所見.(来院時Cre 0.7程度と問題なし)
心不全は徐々に改善し, 最終的にECGは改善し, EF 60%台まで改善した.
というところで、今度は敗血症を発症; Entryは透析用のルートから.
敗血症の治療中に再度心不全症状、うっ血あり、エコーにてEF 30%台のDiffuse hypokinesiaへ. ECGではV3-4あたりで再度Abnormal Qと陰性T波が出現….
この繰り返す心機能悪化とECG上虚血所見, 冠動脈はIntactとの状態. これは一体?
-------------------------
全身性硬化症と心臓障害について
SScは心血管系障害に対する独立した危険因子.
953例のDiffuse SSc症例のうち, 心臓障害を来したのは15%
10年間のフォローにて心臓障害は死亡例の20%の原因を占めた.
特に最初の5年間が多く, 心臓障害による死亡は44%.
(Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
865例のSSc患者におけるMI, Strokeの発症率は
MI 4.4/1000pt-y, Stroke 4.8/1000pt-yであり,
一般人口と比較してMI HR 1.80[1.07-3.05], Stroke HR 2.61[1.54-4.44].
(Ann Rheum Dis. 2013 Jul;72(7):1188-93. )
心臓障害; 2つの機序
(Clin Exp Rheumatol 2010; 28 (Suppl. 62): S48-S53.)(Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
1つ目は微小血管障害(Microvascularの障害).
SScは末梢毛細血管の破綻, スパスム, 狭窄を来たし, 手指の虚血や腎クリーゼ, 肺高血圧症を来す.
心臓においても同様の微小血管障害がほぼ全例で認められるが, 症候性となる例は10%[8-28]程度. ただし, 症候性となった場合の予後は悪い.
心臓の全ての部位で障害を来してもよく, 心嚢水, 不整脈, 伝導障害, 弁膜症, 心筋虚血, 心筋肥大, 心不全等を来す
これはCutaneous type, Diffuse type双方とも合併する.
2つ目がMacrovascularの障害
SSc自体が虚血性心疾患のリスク因子となることが分かっており, 無症候性の冠動脈狭窄, 石灰化の頻度が高い. (Ann Rheum Dis. 2013 Jul;72(7):1188-93. )
Microvascularの問題がメインとなることが多く,
急性心筋梗塞で冠動脈造影を行った患者群において, SScは『冠動脈造影正常』というアウトカムに対するOR 33.89. (Rheumatology 2008;47:578–583)
つまりSScでは冠動脈造影, 冠動脈CTが正常でも虚血性疾患を来すことが大いにあり得るという認識が重要.
SScによるMacrovascularの障害 (Rheumatology 2008;47:578–583)
SScによるMacrovascularの障害はメインな障害となり難いが, 確かにリスクは上昇する.
機序としては, HDL-Cholの低下, 血管内を障害する自己抗体(AECA)の存在, 慢性炎症, 血管内皮障害を介してMacrovascular障害を来す.
53例の強皮症と, 年齢, 性別, 糖尿病をあわせた106例のControl群で冠動脈CTを撮影し, 石灰化を評価
(ARTHRITIS & RHEUMATISM Vol. 63, No. 5, May 2011, pp 1387–1395)
SSc患者では冠動脈石灰化Scoreが高い患者が多く, 冠動脈石灰化に関連する因子としては 高血圧や高脂血症よりもORが高いという結果であった.
SScによるMicrovascular障害 (Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
SSc患者の心筋生検, 剖検を行うと, びまん性の斑状の線維化とバンド状の壊死が認められる.
これは心膜上の血管の虚血ではなく, 心膜内の血管の梗塞を示唆する
晩期となると血管支配に一致しない分布をとる.
また, SSc患者では冠動脈造影は正常であるにもかかわらず, 狭心症やMIを発症する例もある.
虚血-再灌流を繰り返すことで不可逆性の心筋線維化を生じる. 線維化が進み, 拡張障害が最初に出現することが多い.
冠動脈造影や冠動脈CTでは狭窄は認められない.
冠動脈造影にてDipyridamole等で血管拡張を誘発すると, 拡張能がControlと比較して低下しているとの報告もある.
SScによる心筋微小血管障害はスパスムがメイン
SSc患者21名で寒冷刺激を与えつつThallimu-201 SPECTを施行した結果, 12/21でスパスムが証明できた(Control群では0/8). 上記の12名のうち, 10名が無症候性であった.
SSc 10例と他の膠原病患者で同様の調査をすると, SScでは4/10, 他膠原病ではスパスムが誘発された例は無し.
参考; SSc患者における心筋血流シンチ
(Clin Exp Rheumatol 2010; 28 (Suppl. 62): S48-S53.)
また, MRIは心膜下の血流評価に有用であり, SScによる心筋虚血評価にも応用可能.
SScによる心筋虚血への対応 (Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
Ca-ch阻害薬; スパスムの予防.
SSc患者におけるNifedipine(アダラート®) 60mg/d投与前後14日でのMRIの比較では全体に38%の血流増加が認められた.
Nicardipine使用前後のLVEF, RVEF値の変化を比較
両者ともNicardipine(ペルジピン®) 40mg/d投与後に改善効果が見込める.
血管拡張薬; Dipyridamole (Annal of the Rheumatic Disease 1986;45:718-725)
23例のSSc患者において, 安静時とDipyridamole 0.14mg/kg/min 4分負荷後にThallium-201 SPECTを施行.
心筋を9部位に分け, 其々の部位で血流に応じて0~2まで0.5刻みで評価. (0; 血流無し, 2; 正常)
アウトカム;
安静時SPECTのThallium欠損部位は全体で138箇所. 各患者で平均6.0[2-9]部位
Dipyridamole負荷後は55箇所消失(44%改善)を認めた.
Scoreは10.2(1.8) → 11.4[2.1], p<0.02と有意に血流欠損が改善.
---------------------------
ということで, 強皮症患者における心筋虚血は珍しい物ではなく, リスクは高い.
またその場合血管造影でも狭窄は検出されないことが多いという点に注意が必要.
狭心痛エピソードがある場合やエコー上所見がある場合はCa-ch阻害薬(Nifedipine, Nicardipine)やDipyridamoleを併用することが重要.
疑わしければSPECTでチェックするのも良いであろう.
また, 強皮症腎クリーゼに関しても, この症例のように
特に心疾患既往無い強皮症患者が,
突然の心不全 → 腎クリーゼ発症、という劇的な経過をたどることがあるため, 常々準備を怠るなということ。
Diffuseタイプの全身性硬化症 SScと診断された70台の女性. 他に既往は無し.
1週間前より徐々に下肢の浮腫が出現し, 臥位時呼吸苦が増悪したために来院.
ECGにてV2-4のAbnormal Q波、陰性T波が認められ, エコーではDiffuse Hypokinesia, EF 30%と心筋梗塞(Recent MI)に伴う心不全との診断で入院. 冠動脈造影を行った.
冠動脈造影では, 冠動脈に狭窄無し. 他に明らかな異常は認められず.
心不全治療中に徐々に腎機能が増悪し, 転科となった.
腎機能は最終的にCre8台, 無尿となり, 透析導入. 腎生検の結果強皮症腎クリーゼに矛盾しない所見.(来院時Cre 0.7程度と問題なし)
心不全は徐々に改善し, 最終的にECGは改善し, EF 60%台まで改善した.
というところで、今度は敗血症を発症; Entryは透析用のルートから.
敗血症の治療中に再度心不全症状、うっ血あり、エコーにてEF 30%台のDiffuse hypokinesiaへ. ECGではV3-4あたりで再度Abnormal Qと陰性T波が出現….
この繰り返す心機能悪化とECG上虚血所見, 冠動脈はIntactとの状態. これは一体?
-------------------------
全身性硬化症と心臓障害について
SScは心血管系障害に対する独立した危険因子.
953例のDiffuse SSc症例のうち, 心臓障害を来したのは15%
10年間のフォローにて心臓障害は死亡例の20%の原因を占めた.
特に最初の5年間が多く, 心臓障害による死亡は44%.
(Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
865例のSSc患者におけるMI, Strokeの発症率は
MI 4.4/1000pt-y, Stroke 4.8/1000pt-yであり,
一般人口と比較してMI HR 1.80[1.07-3.05], Stroke HR 2.61[1.54-4.44].
(Ann Rheum Dis. 2013 Jul;72(7):1188-93. )
心臓障害; 2つの機序
(Clin Exp Rheumatol 2010; 28 (Suppl. 62): S48-S53.)(Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
1つ目は微小血管障害(Microvascularの障害).
SScは末梢毛細血管の破綻, スパスム, 狭窄を来たし, 手指の虚血や腎クリーゼ, 肺高血圧症を来す.
心臓においても同様の微小血管障害がほぼ全例で認められるが, 症候性となる例は10%[8-28]程度. ただし, 症候性となった場合の予後は悪い.
心臓の全ての部位で障害を来してもよく, 心嚢水, 不整脈, 伝導障害, 弁膜症, 心筋虚血, 心筋肥大, 心不全等を来す
これはCutaneous type, Diffuse type双方とも合併する.
2つ目がMacrovascularの障害
SSc自体が虚血性心疾患のリスク因子となることが分かっており, 無症候性の冠動脈狭窄, 石灰化の頻度が高い. (Ann Rheum Dis. 2013 Jul;72(7):1188-93. )
Microvascularの問題がメインとなることが多く,
急性心筋梗塞で冠動脈造影を行った患者群において, SScは『冠動脈造影正常』というアウトカムに対するOR 33.89. (Rheumatology 2008;47:578–583)
つまりSScでは冠動脈造影, 冠動脈CTが正常でも虚血性疾患を来すことが大いにあり得るという認識が重要.
SScによるMacrovascularの障害 (Rheumatology 2008;47:578–583)
SScによるMacrovascularの障害はメインな障害となり難いが, 確かにリスクは上昇する.
機序としては, HDL-Cholの低下, 血管内を障害する自己抗体(AECA)の存在, 慢性炎症, 血管内皮障害を介してMacrovascular障害を来す.
53例の強皮症と, 年齢, 性別, 糖尿病をあわせた106例のControl群で冠動脈CTを撮影し, 石灰化を評価
(ARTHRITIS & RHEUMATISM Vol. 63, No. 5, May 2011, pp 1387–1395)
SSc患者では冠動脈石灰化Scoreが高い患者が多く, 冠動脈石灰化に関連する因子としては 高血圧や高脂血症よりもORが高いという結果であった.
SScによるMicrovascular障害 (Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
SSc患者の心筋生検, 剖検を行うと, びまん性の斑状の線維化とバンド状の壊死が認められる.
これは心膜上の血管の虚血ではなく, 心膜内の血管の梗塞を示唆する
晩期となると血管支配に一致しない分布をとる.
また, SSc患者では冠動脈造影は正常であるにもかかわらず, 狭心症やMIを発症する例もある.
虚血-再灌流を繰り返すことで不可逆性の心筋線維化を生じる. 線維化が進み, 拡張障害が最初に出現することが多い.
冠動脈造影や冠動脈CTでは狭窄は認められない.
冠動脈造影にてDipyridamole等で血管拡張を誘発すると, 拡張能がControlと比較して低下しているとの報告もある.
SScによる心筋微小血管障害はスパスムがメイン
SSc患者21名で寒冷刺激を与えつつThallimu-201 SPECTを施行した結果, 12/21でスパスムが証明できた(Control群では0/8). 上記の12名のうち, 10名が無症候性であった.
SSc 10例と他の膠原病患者で同様の調査をすると, SScでは4/10, 他膠原病ではスパスムが誘発された例は無し.
参考; SSc患者における心筋血流シンチ
(Clin Exp Rheumatol 2010; 28 (Suppl. 62): S48-S53.)
また, MRIは心膜下の血流評価に有用であり, SScによる心筋虚血評価にも応用可能.
SScによる心筋虚血への対応 (Rheumatology 2006;45:iv14–iv17)
Ca-ch阻害薬; スパスムの予防.
SSc患者におけるNifedipine(アダラート®) 60mg/d投与前後14日でのMRIの比較では全体に38%の血流増加が認められた.
Nicardipine使用前後のLVEF, RVEF値の変化を比較
両者ともNicardipine(ペルジピン®) 40mg/d投与後に改善効果が見込める.
血管拡張薬; Dipyridamole (Annal of the Rheumatic Disease 1986;45:718-725)
23例のSSc患者において, 安静時とDipyridamole 0.14mg/kg/min 4分負荷後にThallium-201 SPECTを施行.
心筋を9部位に分け, 其々の部位で血流に応じて0~2まで0.5刻みで評価. (0; 血流無し, 2; 正常)
アウトカム;
安静時SPECTのThallium欠損部位は全体で138箇所. 各患者で平均6.0[2-9]部位
Dipyridamole負荷後は55箇所消失(44%改善)を認めた.
Scoreは10.2(1.8) → 11.4[2.1], p<0.02と有意に血流欠損が改善.
---------------------------
ということで, 強皮症患者における心筋虚血は珍しい物ではなく, リスクは高い.
またその場合血管造影でも狭窄は検出されないことが多いという点に注意が必要.
狭心痛エピソードがある場合やエコー上所見がある場合はCa-ch阻害薬(Nifedipine, Nicardipine)やDipyridamoleを併用することが重要.
疑わしければSPECTでチェックするのも良いであろう.
また, 強皮症腎クリーゼに関しても, この症例のように
特に心疾患既往無い強皮症患者が,
突然の心不全 → 腎クリーゼ発症、という劇的な経過をたどることがあるため, 常々準備を怠るなということ。
2013年12月7日土曜日
肺塞栓の見逃しにかかわる因子の解析
American Journal of Emergency Medicine 31 (2013) 1646–1650
CTでPEと診断された436例のRetrospective study.
初診時に診断できた群(Group 1)入院管理とし, その後診断できた群(Group 2); 21.5%
帰宅後, 再診した際に診断できた群(Group 3); 11.9%に分類.
合計で33.5%が初診時に肺塞栓の見逃しとなっている.
初期診断の内容;
見逃しに関連する因子;
慢性肺疾患の既往, 呼吸器症状, 胸膜痛, 血痰, 肺浸潤影の存在が見逃しリスクとなる.
---------------------
それが分かった所で, 結局は除外が難しいんだなぁ、という印象しか得られない.
まぁ、よくわからない呼吸苦、胸痛、呼吸器症状では常に考慮せんといかんということが再確認できるくらいですね。
2013年12月4日水曜日
爪半月の異常
外来をしていて、若い男性の爪を見ると, 爪半月が異様に小さく, 消失している指もあった.
写真は撮り忘れ。
両手の爪半月が全て縮小しており, 第2-3指、小指の爪半月が欠如, 他部位は明らかに縮小.
病的意義はあるのか。。。? (ちなみに他の身体所見は問題無し)
自分自身をみると, 両側の小指のみ半月が無かった.
研修医を何人か見てみると, 片方の小指のみ無かったり, 全指あったり, と.
小指は無い人は多かったが, 他の指が無い人はほぼ居なかった.
------------------
写真は撮り忘れ。
両手の爪半月が全て縮小しており, 第2-3指、小指の爪半月が欠如, 他部位は明らかに縮小.
病的意義はあるのか。。。? (ちなみに他の身体所見は問題無し)
自分自身をみると, 両側の小指のみ半月が無かった.
研修医を何人か見てみると, 片方の小指のみ無かったり, 全指あったり, と.
小指は無い人は多かったが, 他の指が無い人はほぼ居なかった.
------------------
Journal of the American Academy of Dermatology 1996;34:943-953
"The lunula" (爪半月)という文献より,
爪半月 Lunulaについて
爪半月は爪の起始部に認められる部位
胎生13-14wkには既に認められている. 全ての指に認められる訳ではなく, 最も多く認められるのは母指と示指. 足では母趾で最も多く認められる. 小指では認めないことも多い.
半月の大きさも個人差, 同じ人でも指毎に異なる. 人種でも異なる. 加齢と伴に爪半月のサイズは縮小する.
爪半月の構造, 機能
組織的に爪半月は爪起始部と異なり, 顆粒層が欠如している
また爪床よりも上皮は厚い.
爪のメラノサイトは遠位部で多くなが, 爪半月でもメラノサイト, Langerhans細胞, Merkel細胞が認められる
また, Parakeratotic onychocyteを含み, ケラチン生成を行う領域.
爪半月が白い理由は, Nail matrix(爪母)と爪床, 爪が関連
爪半月の上皮が厚いため, その下の毛細血管の透過性が低下し白色となる
爪母が白色に見えることも原因の1つ.
爪自体は半月上では薄く, 爪床部では厚くなる.
また, 半月と爪の付着部は爪床部と比較してより強いため, 光の反射が異なり白色に見える.
爪半月の役割
中心的な役割は爪の形を整える役割. 特に爪半月の末梢側の形は, 爪のFree edgeの形に関連する.(爪を切ったりすると分かりにくいが)
外傷や手術の影響で爪半月が形成不全となると, 爪自体の形成不全, 形の異常が生じる.
爪半月の異常
正常の爪半月の形は半月上.
遠位部は湾曲しており、近位部は直線
爪半月の異常は以下に分類される
Macrolunula (拡大)
Microlunula, anolunula (縮小, 消失)
Nonconvex lunula(非対称性, 三角形等)
Macrolunula; 巨大爪半月
インドでの正常Variantとしての報告が多い. 爪の疾患ではHabit-tic deformity, median nail dystrophyで報告があり, 内分泌疾患では甲状腺機能亢進症での報告がある.
Microlunula, Anolunula; 爪半月の縮小, 消失
以下の疾患での報告例がある.
|
心血管系
動脈硬化症 |
血液疾患
鉄欠乏性貧血 |
神経
神経損傷 |
|
先天性
染色体異常; Monosomia 4, Trysomy 21 Genodermatoses, Erythropoietic protoporphyria Focal dermal hypoplasia(Goltz syn.) Porphyria cutanea tarda |
感染症
HIV, Leprosy |
肺, 呼吸器
COPD |
|
爪疾患
Brachyonychia Hereditary osteoonychodystrophy Pachyonychia congenita Soft nail disease |
その他
リンパ浮腫, 低栄養, ペニシラミン |
腎疾患
腎不全 |
|
内分泌
末端肥大症, Adipose-genital dystrophy 甲状腺機能亢進症, 低下症 下垂体不全症 |
悪性腫瘍
多発性骨髄腫 |
リウマチ性疾患
関節リウマチ 全身性硬化症 |
爪半月の縮小は黒人の正常variantや加齢に伴い生じることもある.
MicrolunulaやAnolunulaは大半が後天性であり,
徐々に縮小, 消失する例が殆ど.
両側性に生じるのが普通であるが, 神経損傷では片側性のことがある
Triangular lununa(三角爪半月)はHereditary osteoonychodysplasiaに症状の1つ
他に三角爪半月を来す病態は, 外傷とTrisomy 21で報告例がある.
爪半月の色の変化もある
黒色, 青色, 褐色, 灰色, 緑色, 紫色, 赤色, 黄色, 白色の混在や
点状の色素沈着
縦線状の色素沈着がある.
HIV感染患者(黒人)のBlue lunula. (Zidovudineによる薬剤性)
青色半月の原因
|
銀中毒
|
|
化学療法; Cyclophosphamide, vincristine, doxorubicin, dacarbazine
|
|
化学療法; 5-Fluorouracil, doxorubicin, cyclophosphamide
|
|
化学療法; Vinblastine, dactinomycin, bleomycin
|
|
ヘモグロビンM疾患
|
|
Hepatolenticular degeneration(Wilson病)
|
|
Hereditary acrolabial telangiectases
|
|
Phenolphthalein purgative
|
|
Zidovudine
|
赤色半月の原因
|
Alopecia areata
|
|
Vitiligo
|
|
Primary nail dystrophies
Habit-tic deformity Median nail dystrophy Trachyonychia Twenty-nail dystrophy |
|
その他
慢性じんま疹 Hereditary osteoonychodystrophy Lichen sclerosus et atrophicus Psoriasis vulgaris |
黄色半月の原因
|
Insecticides and weed killers
Dinitro-orthocresol(5%) Diquat and paraquat(Preeglone Extra) |
|
テトラサイクリン
|
白色半月の拡大
|
Apparent leukonychia
|
|
半月の進展; 虚血, Leprosy
|
|
Lindsay’s half-and-half nails
アンドロゲン, 5-Fluorouracil, Paraquat, 腎疾患 |
|
Terry’s nails
肝硬変, 慢性心不全, 糖尿病, Keratoses, 吸収不良, Neopolitan(加齢性)爪, 肺好酸球症, 甲状腺機能亢進症 |
|
Pseudoleukonychia
Onychomycosis; proximal subungual, superficial white |
|
True leukonychia
Alopecia areata |
Longitudinal dyschromic lunular bandsの原因(縦に入る色素沈着)
|
黒色
|
Longitudinal melanonychia striata
|
|
褐色
|
化学療法; Cyclophosphamide, Doxorubicin, Hydroxyurea
抗ウイルス薬; Zidovudine |
|
赤色
|
Cirsoid aneurysms(subungual arteriovenous tumor)
|
|
|
Glomus tumor
|
|
|
Keratosis follicularis
|
|
|
Ionizing radiation-induced keratosis
|
|
白色
|
Keratosis follicularis
|
赤色のバンド; Keratosis follicularisの患者
黒色のバンド
--------------------
結局原因が良く分かりません、、、、
ちなみに胸痛は胸膜、心膜痛Likeでしたが、エコーでは問題無し。
ECGでは下壁誘導のST低下, 陰性T波, QT短縮, 四肢誘導のVoltage低下がありました.
他には問題無し. なにかしら関連があるのでしょうか。
2013年12月3日火曜日
G-CSFは皮下注の方が効果が良好
Subcutaneous vs. intravenous G-CSF for the treatment of neutropenia in hospitalized hemato-oncological patients: randomized controlled trial. Am J Hematol 2013.
血液癌患者に対する化学療法にて好中球減少となった患者を対象としたopan-label RCT (感染の有無は問わない)
Filgrastim(グラン®) 5µg/kg/d 皮下注 vs IV群に割り付け, 好中球改善までの期間を比較.(Neu>500/µlが3日連続).
投与のタイミングはAML, 骨髄移植患者ではChemo終了後7日目より, MM, Lymphomaでは2日目より投与.
初回化学療法の次のクールでは, SC群, IV群を入れ替えて比較した.
予定人数は310名であったが, N=120の時点でStudyは中断.
母集団;
アウトカム;
初回のみの解析,
初回, 2回目の化学療法をあわせた解析双方で有意に皮下注群の方が好中球減少の改善が早い.
原疾患別の評価では, リンパ腫, MM, 骨髄移植群でのみ有意差がでているが, どれも短期間となる傾向がありそう.
臨床的アウトカムは両者で有意差無し.
------------------------------------
G-CSFを好中球減少に対して投与する際は皮下注射の方がより好中球増加までの期間は短縮される可能性がある.
健常人を対象として, Filgrastimの投与量, 投与経路で血中濃度を比較したStudyでは, Clin Pharmacokinet 2009;48:817-826
投与量別ではそこまで大きな差はないが,
皮下注射と静注では血中濃度の持続の面で大きく差がでる.
G-CSFはより血中濃度を高い状態で保った方が血球は作られやすいことは想像に難くなく, したがって投与経路は皮下注の方がより良いと考えられる.
どのような急性咽頭炎が化膿性合併症をおこしやすいか?
BMJ 2013;347:f6867
急性咽頭炎 14610名のProspective cohort。
化膿性合併症(扁桃周囲膿瘍, 中耳炎, 副鼻腔炎, 膿痂疹, 蜂窩織炎)の頻度と, リスク因子を評価.
患者は16歳以上, 14日未満の急性咽頭炎症状(+)の患者群.
抗生剤無し 5243名, 遅れてAbx 6269名, 抗生剤あり 2501名.
全体で化膿性合併症は1.3%.
新規症状出現, 改善しない症例は14.2%であった.
化膿性合併症のリスク因子を評価すると,
関連する因子はEarache(重度の耳痛)と重度の扁桃炎所見の2項目.
この2つの因子でORを評価すると,
1つ満たせばOR 2.4, 2つ満たせば5.4となる.
ちなみに, Centor scoreやFeverPAINのスコアとORはこの通り
其々 4点, 4/5点と高Scoreでのみ有意にリスクとなり得るが,
それでも前述の耳痛、扁桃炎症状の方がリスク因子としては優秀.
詳細は端折るが,
新規症状の出現, 症状の改善が乏しいことを予測する因子は,
特に有用な項目は無かった(Centor, FeverPAIN含む).
---------------------
急性咽頭炎において, 重度の耳痛や重度の扁桃炎所見がある場合は要注意と言えるが, そもそも全体で化膿性合併症を来す化膿性は1.3%しかなく,
臨床的になにか対応をとるべきかどうかは不明。
そのような症例への抗生剤投与も微妙.
口頭注意程度となると思われる.
2013年12月2日月曜日
非結核性抗酸菌症による胸水貯留
高齢男性, 原因不明の片側胸水貯留.
穿刺すると滲出性, リンパ球優位, ADA 80U/Lと高値であり, 結核性を疑った.
胸水より抗酸菌染色陽性(ガフキー1号)であったが, 培養, PCR結果はMycobacterium intracellulareであった.
Q1. NTMによる胸膜炎, 胸水貯留はどの程度あるのか?
Q2. また, その場合も胸水中ADAは高値となり得るのか?
------------------------------------
A1.)
穿刺すると滲出性, リンパ球優位, ADA 80U/Lと高値であり, 結核性を疑った.
胸水より抗酸菌染色陽性(ガフキー1号)であったが, 培養, PCR結果はMycobacterium intracellulareであった.
Q1. NTMによる胸膜炎, 胸水貯留はどの程度あるのか?
Q2. また, その場合も胸水中ADAは高値となり得るのか?
------------------------------------
A1.)
BMC Infectious Diseases 2011, 11:113 より,
Virginia Hospitalにおける2001-9年に診断したMycobacteria感染症 494例の解析
TB以上にMAC症, NTM検出の方が余裕で多い.
NTMとTBの比較を見ると,
胸水貯留はNTMの5%のみである一方, TBでは61%と, NTMによる肺感染症における胸水貯留の頻度は少ない(5%程度)と考えられる.
A2.)
NTMによる胸膜炎, 胸水貯留の場合, 胸水中ADAは上昇するのかどうか.
ADA; Adenosine deaminaseは,
細胞内感染菌が存在する際に, T-cellを始めとしたリンパ細胞が分泌する物質. 従って, ADAとはT-cellの活性度を示すマーカーと言える.
ADAにはADA1,2があり, ADA2はMonocyte特性があり, 結核ではADA2が増加する.
従って, TBだろうがNTMであろうが, 細胞内感染を来すならば上昇して当然とも言える.
ただし, 上記の通りNTMによる胸膜炎の報告は少なく, まとまった文献も無かった.
いくつかのCase reportを漁ってみると,
日本国内において胸水貯留の精査を行った435例のRetrospective study.
この435例中, 2例がNTMによる胸水貯留例であり, その2例では双方ともADA>36U/Lであったとの記載があった(具体的な数値は不明).
(Acta Med. Okayama, 2011 Vol. 65, No. 4, pp. 259-263)
他の症例報告ではM. aviumでは上昇していない例も報告されている.
(73歳男性の胸水貯留例ではADA 19.5IU/L, M. avium陽性となった)
(Inter Med 47: 1727-1731, 2008)
M. intracellulareによる胸膜炎では, ADA 142, 146IU/Lと上昇している報告例
(Tuberc Respir Dis 2013;74:124-128)(Inter Med 2006;45:1007-1010)
M. kansasiiによる胸膜炎では, ADAは上昇しているという症例報告が多い(46.4~101.7IU/L)
(Kekkaku 1993;68:527-531, Kekkaku 2004;79:397, Transplant Infectious Disease 2012;14:E50-55)
M. abscessusの症例報告も上昇; 79.7IU/L
(Journal of Infection and chemotherapy 2013;19:964-968)
症例報告程度では何とも言えないが, 理論上も, 報告でも上昇することが多いと言えそう
M. aviumでは上昇していない報告も散見されるが, それはM. intracellulareと比較して炎症が軽度のためなのかもしれない.
(Chest 2012;142:1482-1488; M. aviumとintracellulareの患者群の比較のStudy. 炎症マーカー等はintracellulareの方が有意に高かった)
登録:
投稿 (Atom)




















