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2022年5月7日土曜日

脱毛症に対するJAK阻害薬(Baricitinib)のRCT

 脱毛症については以下を参照ください

http://hospitalist-gim.blogspot.com/2021/07/alopecia.html

一般人口の2%で認められ, 自己免疫性疾患にも時折合併が認められる.

特に女性におけるストレスは強く, しばしばショックで抑うつ傾向となってしまう患者さんも経験する.


なかなか良い治療というのが現時点ではなく, JAK阻害薬の外用薬が期待されているが, まだ保健適応や大規模なStudyは無いのが現状.


その脱毛症(円形脱毛症)に対する経口JAK阻害薬, BaricitinibのRCTが発表.

(N Engl J Med 2022;386:1687-99.)

BRAVE-AA1, AA2: SALTスコア≥50(0が頭蓋の脱毛なし, 100が完全に頭蓋の脱毛がある)を満たす患者群を対象としたDB-RCT.

・患者は男性で18-60歳, 女性で18-70歳のAlopecia Areataで, SALTスコア≥50, 

 発症6ヶ月以上, 8年未満で, 最近6ヶ月間は改善を認めない症例(スコア10点未満の変動のみ)

 
発症8年以上経過した症例では, 自然に脱毛が改善, または治療により改善を認めた症例のみ導入が許可された.

・除外項目; びまん性パターンのAA症例, 

 以下の薬剤で治療された症例

 (1wk以内に外用GCを使用, 8wk以内の全身/局所GC投与, 4wk以内の外用JAKi, 8wk以内の全身JAKi投与)


 過去に12wk以上のJAKiを使用し, 反応が不良であった症例も除外

Baricitinib 4mg/d群, 2mg/d群, Placebo群に割り付け, 36wk後のSALTスコア≤20達成率を比較(BRAVE-AA1 654例, BRAVE-AA2 546例)


母集団


アウトカム

・36wk時点におけるSALT≤20達成率

 Baricitinib 4mg投与群では35.6~38.8%で達成. 

 2mg投与群では19.4-22.8%

 
Placeboでは3.3-6.2%と有意にBaricitinibで改善が認められる

・他アウトカム


合併症

・VZVは増加する可能性がある.
Cholesterolの上昇も認められる