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2021年8月16日月曜日

心内膜炎に対するPET/CTの有用性を前向きに評価したStudy

(Clinical Infectious Diseases® 2021;73(3):393–403)

TEPvENDO: フランスの8箇所の施設において,
 2015-2016年に診療したIEを強く疑う患者群を対象とした前向きStudy.

・各施設には循環器内科, 心臓外科, 感染症科, 細菌学を含むIEチームを有する.

・IEを疑われ, 導入された後7日以内にPET/CTを撮影.

 IEはPV(人工弁), NV(自己弁)を問わない

・IEの判断は3回行われ,


 ① PET/CT評価前: modified Duke基準


 ② PET/CT評価後: m-ESC2015 IE基準(弁膜の取り込みがあればMajor Duke基準を満たし, 塞栓や動脈瘤があればMinor Duke基準を満たしたと判断する. )


 ③ 6ヶ月後に最終的にIEであったかどうかを判定: Final classification

・PET/CTのIE診断, 治療方針決定への寄与を評価した.


診断の推移: PV患者70例, NV患者70例

診断タイミング

Definite

Possible

Excluded

① PET/CT前

PV 34例
NV 46例

PV 33例
NV 23例

PV 3例
NV 1例

② PET/CT後

PV 46例
NV 49例

PV 22例
NV 19例

PV 2例
NV 2例

③ 最終(6M後)

PV 47例
NV 48例

PV 17例
NV 9例

PV 6例
NV 13例

・PET/CTは導入から2[1-3.25]日後に施行された.


 抗菌薬投与開始後からは7[4-10]日後


PET前の評価


PET後の評価



弁周囲, 弁膜への集積はPV患者で47例(67.2%), NV患者で17(24.3%)

・エコー所見との関連:


エコーで疣贅

PETで弁周囲集積

PV

28例

18例(64.2%)

NV

43例

13例(30.2%)

・エコーが判断に寄与しなかったPV 29例, NV 24例では, 

 
PETがIE診断に寄与したのが22/29, 4/24であった.


心臓外の集積所見は69例(49.3%)で認められた.
中枢病変は12例(脳膿瘍, 脳虚血など)

・経門脈からの感染がPET/CTで判明したのが33例であり,

 
PET/CT評価前にわかっていない症例がPV 8, NVで4例であった


PET/CTのIE診断に対する影響

・PET/CTは43例(30.7%[23-39])の患者に, 少なくとも1つ以上のDuke基準を追加した.


 Majorが23例(PV 20, NV 3), Minorが21例(PV 7, NV 14)

・この追加により21例(15%)でDuke-Li分類の変更が行われた
(PV患者で17[24.3%], NV患者で4[5.7%])
 

 Up grade: 18例(PV 15, NV 3)
 Down grade: 3例(PV 2, NV 1)

・6ヶ月後の最終診断との比較では,
 

 Up gradeの16/18が適切(PV 13/15, NV 3/3)
 

 Down gradeの1/3が適切(PV)と判断.


治療方針に対する影響

・37/140(26.4%[19.1-35.5])でPET/CT後に治療が変更


 PVで15例, NVで22例

・抗菌薬の変更が22例(投与期間, 種類)


 外科治療の変更が7例(中止〜進行)

・歯槽周囲の取り込みや心臓外の取り込みが変更に起因


・PET/CTでBenefitを受けたのは40%[32-48]であり,


 初期のエコーが診断に寄与せず,


 臨床的にIEの可能性が高いと判断された患者ほど
Benefitを受けやすい結果

・PVかNVかは関係なし