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2019年2月15日金曜日

RCVSを示唆する所見, 情報: RCVS2スコア

RCVS: Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndrome
・雷鳴頭痛を呈する疾患の1つで, 局所的な脳血管収縮を来し, 急性, 突発性の頭痛を生じる.
・血管収縮は通常数週間かけて改善する(3mo以内)
・特発性と二次性があり, 二次性では出産や薬剤が主.
周産期

薬剤性Cannabis, Cocaine, Ecstasy, Amphetamine, LAD) 
アルコール摂取,
SSRI
 
Ergotamine, Methergine, Bromocriptine, Pseudoephedrine, Ephedrine
 
Tacrolimus, Cyclophosphamide, Erythropoietin, IVIG, RBC, IFN-α,
 
Nicotine
パッチ甘草 (Neurology 2010;75:1939-41)
褐色細胞腫気管支カルチノイド

Ca血症ポルフィリア頭部外傷脊椎硬膜下血腫頸動脈内膜切除後脳外科手術後
(Neurology® Clinical Practice 2011;76 (Suppl 2):S31–S36)

薬剤性RCVSの原因, 他の原因となりうるもののまとめ
(Lancet Neurol 2012; 11: 906–17)

Emergency headache clinicでのRCVSの頻度は0.26%[0.21-0.31](@Paris)
・女性例が43/67(62.7%), 平均年齢は42[19-70]yr.
・Primary37%, Secondary63%.
 Secondaryでは出産後, 硬膜外麻酔血管作動薬(Cannabis, SSRI, 経鼻Decongestant, Nicotineパッチ)
症状は重度の頭痛のみが51(76%).
 24(16)で神経局所症状を伴い, 16%<4hrの短時間, 7%>24hr持続.
 痙攣は3%(2)で認められた.
 視覚症状が最も多く, 他には片側性の感覚障害, 失語, 片麻痺があ
(Brain (2007), 130, 3091-3101)
(Stroke 2010;41:2505-11)

RCVSの頭痛
・雷鳴頭痛を複数回認めた例が94%. 
 平均4.5[2-18], 頭痛の期間は7.4d(5.6), 1回のみが4.5%.
頭痛は通常10秒以内にピークに達する急速な頭痛.
 持続期間は5分~36hr, 平均5時間.
頭痛のTrigger; 79%がトリガーを自覚しており性行為29%, 排便21%, 急な感情の変化19%, 身体運動16%, 排尿行為11%, 咳嗽11%, 鼻すすり11%, 入浴10%, 急な頭部の運動9%.
頭痛はほぼ全例で両側性.
嘔気(57%), 嘔吐(38%), Agitation(32%), 羞明(30%)を伴う.
Strokeの合併もあり
 脳梗塞は2, 脳出血は5例で合併. 極軽度な円蓋部SAH15.
(Brain (2007), 130, 3091-3101)

症状, 画像所見の各Cohortのまとめ

 (Lancet Neurol 2012; 11: 906–17)

診断基準
(Neurology® 2015;84:1552–1558 )

RCVS診断スコア: RCVS2 score
(Neurology® 2019;92:e639-e647.)
・2013-2017年に新規診断したRCVS 30例とRCVSの動脈疾患(arteriopathy)80例の臨床経過・所見・画像所見を比較.
スコアは他のCohort, RCVSに類似した症状を呈するPrimary angiitis of the CNS(PACNS)症例においてValidationを行なった.
 (PANCSは頭痛, 脳卒中, 血管異常を呈し, RCVSと類似した症候となる)

RCVSの動脈疾患の内訳は,
 PACNS 13, もやもや病 24, 頭蓋内動脈硬化 29放射線性動脈疾患 4
 続発性血管炎 10(SLE, ヘルペス, PAN, Sjogren, HIV, Hodgkinリンパ腫)

RCVS2スコア

・雷鳴頭痛, 頭蓋内血管異常, 誘発因子, 性別SAH合併の有無が有用.

・5点以上ならば感度90%, 特異度99%RCVSを示唆する.
・PANCSとの鑑別は5点以上で感度86%, 特異度83%

疾患群におけるRCVS2スコアの分布

PACNSや血管炎では5点を超えることはない
RCVSと言うならば5点以上を
 否定するならば2点以下
 3-4点はグレー.

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雷鳴頭痛の鑑別の1つとなる疾患.
診断スコアについては雷鳴頭痛患者での評価ではない点に注意が必要. 主に血管炎疑いや血管異常所見を見た際の鑑別で使用する.
救急で応用できるかと言うとなかなか難しいかもしれないけども, RCVSの傾向として押さえておくと良いと思う.