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2019年2月21日木曜日

比較的徐脈の鑑別

比較的徐脈(relative bradycardia)は体温上昇に比例したHRの上昇が生じず発熱の割には脈拍が遅い状態のこと
・体温が38.3度を超えると, 1度あたり8-10bpm心拍数が増加する
 この反応に満たないHRの上昇では比較的徐脈, Pulse-temperature dissociation, Faget’s signと呼ばれる.(WMJ. 2018 Jun;117(2):73-78.)
体温≤38.9度では体温と脈拍の解離を判断しにくいため>38.9度の場合に有意な所見として捉えた方がよいとする報告もある.(Clin Microbiol Infect. 2000 Dec;6(12):633-4.)
入院患者では熱型表から判断可能なことも多い

(Clin Microbiol Infect. 2000 Dec;6(12):633-4.)

比較的徐脈を呈する疾患
(Clin Microbiol Infect. 2000 Dec;6(12):633-4.)

201610月までに報告された比較的徐脈の症例Review
(WMJ. 2018 Jun;117(2):73-78.)

感染症と比較的徐脈の頻度

・頻度はばらつきが大きいが,
 デング熱では23-76%, レジオネラでは0-60%, マラリアでは13.6%, 
 ツツガムシ病では38-53%, 野兎病では42%, チフスでは14-63%.

感染症による比較的徐脈の原因一覧

非感染症による比較的徐脈の報告は
・リンパ腫
 薬剤熱
 人為的な発熱
 副腎不全
 周期性好中球減少症で報告あり
・薬剤熱は148例中11例で比較的徐脈を認めた報告もある
 さらに発熱の比較症状がない, 消耗症状がないことも薬剤熱を示唆する所見
(Ann Intern Med. 1987 May;106(5):728-33.)

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不明熱患者で比較的徐脈を伴うことがたまにあります.
新しいReviewがでていたので、メモがてら.