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2018年6月9日土曜日

インフルワクチン後2週間はMTX中断を考慮

(Ann Rheum Dis 2018;77:898–904.)
Pilot studyではワクチン前4wkでの中断では抗体価上昇を改善させる効果はなく, ワクチン後2,4wkの中断で抗体価上昇を改善させることがわかっている.

MTXにて安定しているRA患者を対象としたRCT.
・MTXDose変更なく6wk以上継続している患者群
・インフルエンザワクチン(H1N1, H3N2, B-Yamagata, B-Victoria)を接種し, その後MTX2wk中断群 vs 継続群でワクチンへの反応を比較.
反応は4wk後の各株(4種類中2種類以上)に対する抗体価(Hemagglutination inhibition: HI)4倍に上昇していることで定義.

母集団

bDMARD使用率は<10%

ワクチンへの反応性
・2株以上で4倍の抗体価となったのは継続群で55%, 中断群で76%, 有意に中断群で良好

株別, MTX投与量別の評価

・MTX≤7.5mg/wkでは中断する意義は乏しいが≥10mg/wkではワクチン後2wkの中断でワクチンの効果が上昇

また, MTX中止に伴うRAの増悪は有意差なし

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経過が安定していればワクチン後2wkのMTX中断はワクチンの効果を上昇させ, RAへの不利益も少ない. とくに≥10mg/wkの投与量では