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2016年11月2日水曜日

敗血症に伴う横紋筋融解症

横紋筋融解症の原因といえば, 外傷や薬剤/毒素, 代謝性疾患, 運動後, 筋疾患, 遺伝性などが思い浮かぶが, 感染症も原因の1つ.

尿路感染症や肺炎患者を診療していると, まれにCPK上昇を合併し, 頭を捻っている研修医もいるのではないだろうか?(私も研修医時代はそのような研修医の一人でした)

個人的な経験では尿路感染症や肺炎で多いような気がする. (そもそもNが大きいからか)

様々なCohortを見てみると,
(Medicine 2005;84:377–385)

 と報告によりばらつきがあるが, 感染症は1~31%の原因をしめるという.

感染症に伴う横紋筋融解症を調べてみる.

報告例 60例の内訳では, 最も多い感染症はLegionella spp.
・Legionella spp 14例, Francisella tularensis 9例, Streptococcus pneumoniae 8例, Salmonella spp 6例, Staphylococcus aureus 5例, 腸内細菌群 9例.
・他の報告でも, Legionella, S pneumoniae, F tularensisが最も多い.
・S pneumoniae, S aureus, Salmonellaは筋への直接浸潤が原因.
 他はToxinによる筋障害が原因とされている.
(Am J Med Sci 2003;326(2):79–88)

ICUに入室した感染症患者で, 血液培養が陽性 且つ 横紋筋融解症を認めた患者群を前向きに評価.
(Intensive Care Med. 1999 May;25(5):469-74.)
・491例中, 菌血症+横紋筋融解症を満たしたのは35例(7.1%)
 原因菌はグラム陽性菌が69%, グラム陰性菌が60%
・ICU死亡率はグラム陽性菌陽性群で45.7%, グラム陰性菌陽性群で40%と予後不良.

市中敗血症に合併した横紋筋融解症 103例を解析
(PLoS One. 2009 Sep 29;4(9):e7182.)
・横紋筋融解症はCPK>2000IU/Lで定義.
・血液培養よりグラム陽性菌が検出された(I)のが15例, グラム陰性菌が検出された(II)のが34例, 血液培養陰性例(III)が54例.

各群における年齢, 基礎疾患, 血液検査値
・CPK値は中央値5000-8000
・アルコール中毒患者が4割, 糖尿病患者が2/3, スタチン使用が3割
 他のリスク因子は低Kが3割程度認める.

原因菌の頻度(血液培養陽性例)
・肺炎が最も多い. ついで髄膜炎, 尿路感染症.
・起因菌はGNRの方が多く, 緑膿菌や腸内細菌群が多い.
 Gram陽性では肺炎球菌, 黄色ブドウ球菌が多い.

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感染症に伴う横紋筋融解症は決して珍しい病態ではない.
市中感染症に伴っても出現するし, 個人的な経験ではUTI、GNR菌血症で多い気がする.
ICU症例では予後不良かもしれないが, そこまで重篤にならず, 速やかに改善する症例も多い印象.

この辺はまだデータがあまり無いようですね。
後ろ向きに探したら結構見つかる気がします。

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