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2016年8月25日木曜日

CRPと血沈(ESR)の解離

CRPもESRも炎症マーカーとしてよく使用される指標
・一般的に肝機能が低下しているとCRPが上昇しにくい, 貧血や低Alb血症などがあるとESRが亢進しやすいと言われている.
・また, 骨炎の場合はESRの方が鋭敏であるとか, 膠原病ではCRPが上昇しにくい(SLEなど)などいろいろ.
 自験例では後腹膜線維症やSLE, 結核性脊椎炎, 特発性筋炎でESRが亢進/CRPは正常〜軽度上昇というのがある.

血沈が亢進する因子として,
 低Alb, γグロブリン上昇, 貧血, フィブリノーゲンの上昇, αグロブリンの上昇が挙げられる.

CRPとESRと同時期に評価された入院患者 5777例の解析では
(The American Journal of Medicine (2010) 123, 863.e7-863.e13)
両者の一致率は67%(双方上昇が30%, 双方正常が37%)
 CRP正常/ESR亢進が28%, CRP上昇/ESR正常が5%
・CRP正常は≤1.0mg/dLで定義.
 ESRは年齢別に閾値を設定して, 正常を定義
年齢
男性
女性
<50
13
19
50-59
18
23
60-64
22
25
65-69
25
30
≥79
30
30

CRPとESRの解離例の解析;
・CRP上昇/ESR正常パターンは全例が活動性炎症.
・CRP正常/ESR亢進パターンは8%のみ活動性炎症.
 他にESR亢進の原因があるのが28%, 
 活動性炎症の改善後が32% 
 原因不明が32%

CRPとESRを同時に評価した2069例の解析において, CRPとESRの解離を認めたのは87例.
(Clinical and Experimental Rheumatology 2007; 25: 746-749.)
・ESR亢進/CRP低値が55例(2.6%), ESR低値/CRP上昇が32例(1.5%
解離(+)と(-)群では特に年齢で差はない.

CRP, ESR解離例の解析
・CRP低値/ESR亢進では, 感染症やPM/DMの可能性が高い.
 また, RAの可能性が低い.
アルブミンの低下, 腎不全, 肝障害ではこのパターンとなりやすい.

RA, SLE, 骨関節炎患者におけるESR, CRPを評価
(Clinical and Experimental Rheumatology 2008; 26: 814-819. )
・SLE 79例, RA 188例, OA 110例.
・CRP ≥0.5mg/dLを異常, ESR >25mm/hを異常と定義
 臨床的上昇は正常上限の2倍以上の上昇で定義

疾患別のCRP, ESR異常, 上昇の頻度

CRP, ESR解離例(Aが臨床的上昇, Bは異常)の解析;
・SLEはCRPよりもESRの方が亢進しやすい傾向.
・RAとOAはCRPの方が上昇しやすいと言えそう

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